台湾有事と日本の安全保障のつづきです。
6章の「日本の安全保障」を考える--では、現在、自民党政権が進める軍事戦略と同じことが書いてある。
「抑止力」がキーワード。
軍事というのは、力の増強を求めること。ただそれは、相手国は「悪」で、我々は「正義」というのが前提だ。ウクライナ戦争を仕掛けているプーチン下のロシア軍もそういう論理だし、日本の侵略戦争もそうだし、米国のイラク戦争もそうだった。
その狂暴な相手が攻撃してくる可能性があるから、耐え難い報復攻撃でそれを思いとどませる考え方。そのためには、意思と能力が必要となる。
され、ベトナムやイラクは、米国に対し、侵略戦争のどんな抑止力を持てたのだろうか?
弱い国は、強い国からの攻撃をどう抑止すればいいのだろうか? 教えてもらいたい。
弱い国が強い国に戦争を仕掛けた珍しい例---米国は、圧倒的に国力の弱い日本の米真珠湾奇襲攻撃を許し、抑止力になぜ失敗したのか? 教えてほしい。
P326には、
*敵基地攻撃能力
*原子力潜水艦の保有は不可欠
*国防予算の増額
などが書いてある。相手国も同じように抑止力を理由に軍備を増強するだろう。
国力のない北朝鮮は核ミサイルに頼るしかないが、中国は経済力・技術力にものを言わせて軍備増強を図るだろう。
際限のない軍拡競争で、中国に日本は負ける。日本の経済力や技術力の落ち込みは激しい。国民に増税を押しつけても足りないほどだろう。
国民生活の安全保障は、重税と負担増、格差と貧困の拡大でヒドイことになるだろう。