集英社新書プラスの「ウクライナ戦争以後の世界と日本――新・安全保障論
特別座談会」-- 柳澤協二×伊勢﨑賢治×加藤朗×林吉永--は、たいへん勉強になった。
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特に読んでほしいのは、伊勢崎賢治さんの話。
伊勢崎さんは昨年末、ノルウェーのオスロ国際平和研究所主催の研究会が開かれ世界中の研修者が集められ参加、ロシアの研究者も来ていたそうです。
会議は、ロシアが4月から軍を移動させ、ウクライナ周辺に10万以上の兵力を集中させていた頃で、「ロシア問題」がテーマだったそうです。
突然始まったようにみえる2月24日のウクライナ侵攻も、会議の大方の意見は、米中間選挙までにプーチンは実行するだろうとの議論だったそうです。
会議の3ヵ月ほど前に、アフガンからの米軍・NATO軍の見苦しい撤退騒動がありました。あんな長い戦争のあとの厭戦気分の中では、自国軍兵を送りこむNATOの介入はないだろうとプーチンは判断し、侵攻するだろうと予測。なるほど。(写真は熊本での伊勢崎さんの講演)
米国のイラク侵略、米・NATOのアフガン侵略をプーチンは見ていてとの事だ。
バッテン真似すっといかんバイ、プーチン。ウクライナ国民をイラクやアフガン住民のようにしたらイカンでしょうが。
今回のウクライナ戦争に関して、米軍の中東への武力侵略の話をする軍事評論者はほとんどいない。また、日本のアジア侵略を思い起こさせる話もない。これらは、プーチンから見れば西側サイドという話になるだろう。
西側でも東側でもない。国連憲章の立場こそ大事、共産党の志位さんの立場こそ重要だ。
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私は、憲法を守り、為政者に実行させる立場なのですが、その内容については、若い頃に習った憲法論にとらわれず、幅広い情報で判断しようとしている人間です。
上記の座談会は平和を求めつつも、歴史も外交も安全保障も踏まえた論議だと思います。
ウクライナ問題で、当局サイドの軍事専門家といえども、その主張にいろいろと理解したり考えさせられたりる事も多い。学びたい。