サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

南極の氷に何がおきているか② 巨大窪地

 昨日の続きです。「南極の氷に何がおきているか」--杉山慎北大教授著(中公新書)の紹介・引用(図表など)です。
 北極やら、南極やら、遠い極域のことなど、私たちの生活にはなんの関係もないと、多くの人は思っていることだろう。
 人々が極域に関心あるかどうか、知識があつかどうかは別にして、北極も南極も時間とともに、後戻りの効かない巨大な変化を遂げつつある。
 一番の問題は海水面(海水準)の上昇だ。
我々の世代としては、「わが亡き後に洪水よ来たれ」といったところ。
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 記憶が浅かったのだが、南極の地形は、海抜ゼロ以下が40%もあるようだ。白から青い部分は、海水面以下で、大きな大陸に見える南極もそんなに大きくない大陸とたくさんの列島みたいな感じだ。
 下の写真のように、海水面より千数百メートルも低いところから、分厚い氷が2000mも3000mも乗っかっている。
 そこらが融けてしまえば、低い地形に海水が流れ込んでますます氷床が融けてしまう。
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 パインアイランド氷河の断面を見ると、やたらと窪んでいるのが分かる。海水面以下の部分が融けても海面上昇にはつながらないにしても、上の部分が融けると上昇につながる。
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 IPCCの最悪モデルで、温暖化対策を取らない場合2500頃年には、15メートルも海水面が上がるそうだ。それで終わりではない。その後もずっとっ数千年も上がり続ける。どれほどの土地が海に没することか。
 今の1才児が80才になった2100年頃、最悪の場合1.5メートルの海水面上昇との研究結果もあるそうだ。
 私たち人類のあり方を変えないと、この流れは止まらない。
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 下は、氷がのった今の南極。
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