サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

グリンランド開発、融けた水

 北極圏のグリーンランドは、誰もが知っている雪と氷の世界最大の島。点在する57の村々に住む人々は約5万7000人。デンマーク領のグリーンランド自治)で独立の動きが強まっているようだ。
f:id:adayasu:20190514171345p:plain:w400:left 温暖化が進み、南部では30年前に比べ3週間も長くなった農期で、ジャガイモやニンジンを作ったり羊も飼育できるようになった。
 分厚い氷床が100万トンも融けて軽くなったので、岩盤が年4センチも隆起し、海面上昇を大きく上回り、わずかずつだが土地が増えてもいる。
 石油、石炭以外にも、金、ダイヤモンド、ウランに希少金属などの発見があいつぎ、開発を急ぎたい企業と投資家が氷のさらなる融解を待ち望んでいる。
f:id:adayasu:20190514171359j:plain:w400:right それ以上に重要なグリーンランドの資源は膨大な湛水だ。温暖化が進めば進むほどウォータービジネスのチャンス。
 各国と企業が、途上国の水資源、農地を買いあさっているのは、温暖化が進むにつれ水不足となり、飲料水、食糧生産の農業用水など、水需要がひっ迫し、高騰するのが目に見えているからだ。
 海面上昇により島が海に没して無くなり、国ごと移住を余儀なくされる悲惨な南の島々もあれば、その島々を沈める氷が融けて、地肌が露になり資源開発で儲けを上げようとする企業と人びともいる。その利益に浴しようとする人たちが独立をめざしている。
なんともやりきれないような被害と加害と利益の入り組んだ関係だ。これらをどう調整するのか? 温暖化停止への緊急回避こそ、この矛盾回避のカギではあるのだが…。   (図・写真はウイキペディアより)

地球を「売り物」にする人たち――異常気象がもたらす不都合な「現実」

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(上記の本より)