サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

中国の社会構成体は?

 「マルクスならいまの世界をどう論じるか」(聴濤弘著・かもがわ出版)を立ち読みし、期待はずれのため、買うのはやめにしました。(今日はちょっと小難しい話ですみません)
 実はこの本に、中国の国家と社会の事が書いてある聞いていて、興味が沸いていました。逆説広告に期待しましたが、何より中身が大事、今回、私にはハズレ次に期待。
 私がずっと知りたいことはズバリ、中国の社会構成体は何なのか?ということです。
 (社会主義が名がついているキューバの社会構成もわかりませんので知りたい)
 それについて聴濤氏は、日本のマルクス主義者は、中国を社会構成体の見方として、4つに分類をされている。
社会主義をめざしており、世界で初めて社会主義市場経済が成功する可能性がある
②「国家資本主義」である。
③純粋な「私的資本主義」論。それを通じて社会主義へ向おうとしている説。
④「共産主義でも自由資本主義でもなく、その双方の長所に立つ『第3の道』を取っている国という説。
 で、聴濤氏は、十分、資本主義化した道を一層進化させる方向に進むのか、ある時点で社会主義的転換が起こるのか、起こらないか、(?)とし、結局は、転機を期待する、と言う。
 その論拠は、中国が、革命以来、様々な事件はあったが社会主義の理念を放棄したことがないから、とする。 
 失礼ながら、現実にある今の中国の社会構成体は、「       」だとの、聴濤氏の率直な判断がないのは、意味がないことである。研究しながらも、世界を変えるために、時々の判断はするものと思う。ちなみに私は、②新自由主義的化が進む国家資本主義との見方をしている。素人に許される直観。
 まさに、今、マルクスが生きているなら、なんというだろうか?
 社会発展の土台であるはずの、主権者・人民の動きへの言及がない。中国共産党指導者の特権的「階級」が、党と政治社会の運営を独占し、特権的利益を得て、批判を抑圧している体制を、マルクス主義は、社会発展の法則からして、なんと規定するのか?

 人権、労働、環境、情報・メディアなど、下からの人民の運動を規制、抑圧し、弾圧を加えながら、一党独裁で特権的地位や利権とも一体の指導層の、「社会主義の理念」を放棄したことがない事への期待とは何なのか? わからないなー。
 マルクスが生きているとするなら、人類社会に、何を一番いいたいか?、私の想像は下のようなもの。
 やはり、地球環境と持続可能社会の直面する問題だろう。
 人類の到達した地球・生態系との関係は、人類の欲から言えば成長だろうが、依存をベースにした共存関係にある立場から言えば、他の生物種の大量絶滅を進行させ、地球の限界を超え破綻する道である。人類に残された時間がどれだけあるのか?、科学者は必死に解析中だ。
 このような問題に正面から取り組まないのは、現代「マルクス」主義者の恥ずべき怠慢に思える。
 現在の分析に心血を注がず、過去の文献の解釈や分析だけに心奪われているような研究は、人によっては必要ではあるだろうが、マルクス主義的だろうか? はっきり言って古い気がする。
 マルクスが生きているなら、「マルクス主義者」のこの現状をなんと言うだろうか?