「日本の領土紛争」(松竹著)の2回目、2章の東シナ海のガス田問題です。(東シナ海は、東チャイナ海ではないか?との迷いもありますが今回はこのままで) 海は、海底は、その下は、誰のものか?の考え方がよーくわかりました。
すでに2008年にガス田を共同開発することで日中両国が合意しています。
「中国国内法にもとづく日本企業参入」らしいですが、技術、資金、パイプラインは中国に引く(海底が深く日本側にはひけない)、安い労働力から見て、採算を得るには中国にとっも日本にとっても共同開発がいい、と松竹さんは言っています。
それでも東シナ海の天然ガス資源を獲得をめぐって「排他的経済水域」についての争いがあります。
日本側は⇒ 両国の領土の中間線で引きべき Å線
中国側は⇒ 大陸棚で線を引きべき B線
どちらの言い分が正しいかは? 簡単には結論でないようです。
そもそも昔の国際法では、「領海」と「公海」だけに分かれて、問題なかったそうです。
それが科学技術が進歩で、海洋資源の開発が可能となったために、争いが起こるようになり、大陸棚や排他的経済水域という言葉が生み出されたようです。
今では、海面から数千メートルの海底、さらに数千メートルも地下に掘り進んで石油やガスを掘り出せるようになりました。
大陸棚は、米国が1945年に、公海であっても、領土が自然に海底まで延長しているとして、管轄権があると宣言したのが始まりで他の国もつづいたようです。
58年に国連で採択された「大陸棚条約(現在は失効)」は、水深200メートルまでの海底とし、さらに開発可能なところまでの海底とし、けっきょく資源獲得のための領域を広げる条約のようです。これでは技術・開発力の弱い国が不公平になります。
大陸棚が向かい合っている場合は、特別な理由がない場合は、中間を境界としています。日本は、沖縄からの大陸棚が中国の大陸棚と共通だとして、中間線を主張しているようです。
島々と大陸では少し島に分が悪い気もしますが…。でもガス田の共同開発なので日本にも良いと。
で、82年に「国連海洋法条約」が採択され、争いは「国際司法裁判所」の判断にゆだねられるようになったようです。
人類の進歩の歴史を見る思いがします。
しかし、結局、地下資源の開発のためです。地球温暖化を心配している私としては、中国が開発しようが、日本が開発しようが、あまり関係ありません。
石油、天然ガス、やがてメタンハイドレート、どの国の所有になっても、燃やしてしまえばCO2の膨大な廃棄物として大気に捨てます。
もうたまっちゃって、光合成生物が吸収できないほど(平衡的に)限界を超えようとしている。人間同士の争いさえ決着すればいいというものではなくなった。
人類全体が、対生態系、対地球との関係で、負荷を小さくするような、新しい、陸と海と空と地下の「誰のもの?」概念が必要と思いマスル。
(長くややこしくいブログは嫌われる、わかってますが…)