サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

平家の落人と水俣病

  このたび所要で、芦北町の黒岩という地域に行く機会が数回ありました。

 ネットで検索しても郵便番号ぐらいしか出てこない地域。標高5〜600mのところに30戸ほどの集落がある。私の生まれた木場よりも小さい。(集落からの写真)
 川沿いの、車の離合もむずかしい細い道を、クネクネと上った山べりに、家々はあった。
 下の川沿いには田んぼもあり、多少の平地もあるのに、何でこんな山の上の平地がないところに…と思っていた。
 芦北町の共産党の坂本登町議に聞くと、「平家の落人」が住みついたとの話。おもわず納得。
 その黒岩地域で水俣病の患者さんがいることが、昨年、民医連の高岡医師などの検診でわかった。
 田ノ浦で獲れた魚を天秤棒に担いで、山道を2〜3時間、3〜4人の行商人が毎日のように売りきたようだ。その魚が水銀に汚染されていた。黒岩で魚屋をやり、田浦まで魚を仕入れに行っていた人の話しも聞いた。
 貧しい地域で、「よか魚は買えず」に、ボラなど底物が多かったようだ。
 今のような豊かな食生活と違い、山で生活する人にとって魚はご馳走。また「山でとれた竹の子やきのこは、漁師の村へ持っていった」と道端のお年寄りから聞いた。
 水俣病の患者さんは、見た目にはわからないが、手足のしびれやカラス曲がりに悩まされている。
 本来、国は水俣病を拡大させた責任があり、国が住民の健康調査をして、被害が見受けられればキチンとした補償をすべきだ。
 ところが国は、この地域のこの線からコッチは水俣病はない。1969年12月以降は、水俣病は発生していない、と線を引きして、救済しようとしない。だいたい救済ではなく、犯罪の償いであるべきだ。 これが国家の本質。分社化でチッソという企業の利益を優先する政治が今もつづく。
 その象徴が横道副大臣の「掘り起こし、謹んで」発言だ。
 自民でも患者切りすて、民主でも線引き切捨て。
 日本共産党市田書記局長は、黒岩まで足を運んで被害者の声を聞いた。その住民の声を、明日の参院の環境委員会で民主党政府にぶっつける。
 熊本にも、地元の国会議員は、自民、民主と、衆参たくさんいる。いったい何をしているのだ?と言いたい。 


芦北町黒岩-水俣症状 市田書記局長と住民が懇談(赤旗)

水俣病症状 潜んでいた里(読売)

水俣病患者の掘り起こし「慎んで」 横光副大臣発言に地元反発(中日)