サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

「地球環境問題とは何か」J・ハンセン証言

 昨日紹介した米本昌平氏の「地球環境問題とは何か」(岩波新書)について、追加で書いておきたい。
f:id:adayasu:20210722103545j:plain:right 1994年、27年前に書かれている本ですが、科学ものではあるので、時を経た現在から見て、修正することはいっぱいあるようだが、さて現在の、著者の思いはいかがだろうか?
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 私が地球環境問題に関心を持つきっかけになったNASAのジェームズ・ハンセン氏の議会証言について、かなり批判的に書いている。
 1988年米議会でのハンセン氏の証言が、「99%の確かさ」で温暖化が進んでいると、非専門家である議会関係者を煽ったこと。専門家としては、研究を専門誌に投稿して、議論をたたかわせ、一定の評価の上で議会で証言すべきであること。また、ハンセン氏らのシュミレーションのコンピューターモデルが粗く限界があること、などを批判的に指摘している。
 だが現在、進行している止めようもない温暖化、気候変動を、米本氏は過去を振り返ってどう?総括するだろうか?。
 特に「99%の確かさ」は、当時、ハンセン氏が踏み込んだ言葉だったかもしれない、しかし現在、99%を否定する学者は、いつの間にか声が小さくなった「懐疑派」しかいない。
 ハンセン氏は、化石企業らからの金による妨害で、研究活動や発言のひどい妨害を受けてきた。
 私が、ティッピングポイントという言葉初めて聞いたのは、テレビでのハンセン氏の言葉だった。
 元に戻らない温暖化の劇的な転換地点、その悪循環は、北極海の海氷の縮小や永久凍土融解などのメタンの排出、南極などの棚氷の崩壊など、巨大な、止めようもない現実として進行している。