「操られる民主主義」 のつづきです。

操られる民主主義: デジタル・テクノロジーはいかにして社会を破壊するか
- 作者: ジェイミーバートレット,Jamie Bartlett,秋山勝
- 出版社/メーカー: 草思社
- 発売日: 2018/09/20
- メディア: 単行本
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「誰に投票すべきか」教えてくれる便利なアプリ急速に広まっているそうだ。
自分の意見と好みを入力すると、コンピュータが政党を選んでくれる便利なツール。
イギリスでは500万人近くが「アイサイドウィズ」という投票アプリを使っているそうだ。
日本でも似たようなボート・マッチというのがある。参考にする程度にはいいのかもしれないが、有権者が自分で思考しなくなり調べなくなる事が問題だと著者は指摘する。やがて、
やがて、投票率向上対策のため、クリック一つで選挙が行えるようになるかもしれない。
そして「選挙ボット(ロボット)」なるものが登場し、依頼人の関心や趣味嗜好から、「この政党」「この候補」と割り出してくれるかもしれない。
それは、フェイスブックの「いいね」、ツイッターの「投稿」、グーグルの検索履歴、アマゾンから購入・チェック履歴、GPSの移動履歴ほかから、最新のアルゴリズムで計算して割り出す事になる。わざわざ投票所に行かなくて済み、自分にあったと思う判断で投票できると思うとなると、とても便利になる。
近い将来、コンピュータが自己改良を高め自己複製を始める地点-「シンギュラリティ」(技術的特異点)がやってくると予測されているが、著者は、その前に、「モラル・シンギュラリティ」が発生すると危惧する。
人間がモラルと政治に関する大部分を機械に委ね始める事になると…。
人々が自由に考える能力を手放す事は、民主主義を手放す事になると懸念する。確かに。
次回は、ビッグデーターを使った選挙がどのようにやられているかについての実例を紹介します。