夫婦で２０００万円貯めておかないと生活できない。との金融庁の報告が大問題になっている。
表題は「高齢化社会における資産形成・管理」報告書案となっており、金融審議会市場ワーキング・グループの作成だ。一応、私も読んでみた。
つまり資産形成のために、退職金など、お金をもっている人に投資などを進める金融関係の立場からの内容になっている。
高齢社会で年金が減り生活するのに月５万円不足するので２０年間で１３００万円、３０年間で２０００万円必要との話だ。
だから年金一般、国民生活に関する報告書ではない。
一般の人は、毎日生活するのに精いっぱいで、投資をするお金なんかない！ 学生は奨学金という借金を何百万円も背負って社会にでる。しかも非正規が多い。
報告書では、６５才定年時の平均金融資産の平均保有は夫婦2252万円、単身男性1552万円、単身女性1506万円（住宅ローンなど負債は差し引きが必要）となっているが、平均でそんなに金をもっているものか？ 大企業のサラリーマンや公務員など、退職金など資産がある場合だろう。私の周辺にはあまりいない。
ウチに資産がいくらあるか、カミさんに恐る恐る聞いてみよう。借金も…
そもそも、
主権者が政府に命じる憲法で言えば、２５条で言えば、第１項 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
最低限度の前に、第２項 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上 及び増進に努めなければならない。「社会保障の増進」だ。
ところが最低限度の生活もできない低額年金、無年金者、生活保護者もたくさんいるし、増えている。こんな世の中に誰がした！
と言うべきだ。「自民党は１００年安心」と言って選挙をし、政権を維持している。報告書は、少子高齢化だ、退職金も減る、年金も減る、若者は非正規だ、だから金融資産運用だ、株に、投資に、という。
だいたい消費税を増税し、１０月から１０％増税するのに、どうやって蓄えろと言うのだ。マレーシアは、経済不況の心配から消費税６％を０％にした。これが本来の政府がすべきことだ。
ため込んでいる奴らもいる。企業の貯金は増えづつけ、内部留保今やＧＤＰに迫る４５０兆円だ。他国への金の貸し借りの差、対外純資産の第一位は日本313兆円だ。２位ドイツ228兆円 ３位中国195兆円（１ドル108円換算）。日本が金持ちなのだ。国民の生活苦よそに、多くの金を貸している状態の国は米国だ。
国全体の富はここにある。公金の投入の株高で株主は大もうけだ。政治が金持ちと大企業の利益誘導政治になっている。やっている政権政治家は金持ちの２世３世ばかり。国民の認識に決定的影響を及ぼすメディアも誘導されているからこんな事はまともに報道しない。保険料を払い、税金を納めた私たちが正当に年金をもうらべきお金は、ここにたまっている。
今回の「２０００万円」騒動、参院選でいまの政治を考えるよい材料提供となった。大いに議論しよう。
