サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

軍備拡大と解釈拡大と軍事費拡大−防衛大綱

 日本の最大の問題はコトバかもしれない。
 強者・支配者は、いくらでも解釈を拡大しメディアに流し、順応しやすい国民を危ない方向に誘導する。
 内外の多くの人々を殺戮した戦争を起こした反省から、「二度と戦争をしない」死者の叫びを誓いとして憲法9条は、2項で「〜〜陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」とした。
 しかし今や日本の軍事力は世界第7位とされる。
 相手の脅威は(相手からみた日本の脅威も)「意思」「能力」として表される。
 まず、「能力」これが問題だ。
 今回、艦船「いずも」の空母化が進められる。(海自HPより)
 最初から、旧日本海軍空母並みのサイズと機能で造られ、見た目もバッチリ空母。だが「護衛艦」と名乗りごまかすがミサイルもなく、他を守る護衛の艦ではない。ヘリを搭載してへい空母で運用を進めて、時期が来て、F35Bステルス・攻撃用戦闘機を乗せる。
 政府は、これは、常時搭載ではないので、「多用途運用母艦」とか「多機能護衛艦」とか、言葉でごまかそうとする。解釈を度々拡大しつづけ狙ったとおり、計画どおりの空母化だ。相手国だけでなく世界中から空母は空母、攻撃用としてしか見られない。あたりまえだ。
 最大の問題は、この言葉のゴマカシに国民が慣れさせられていく事だ。
 次に「意思」。
 「意思」は時の政権しだいだが、ずっと憲法9条が歯止めをしてきた。安倍首相はこれを外そうと9条改憲を狙っている。ただ、この「意思」は、日本政府が持っているわけではない。
 それは米軍がもっている。自衛隊指揮権を持っているは、秘密の「とりきめ」によって米軍だ。
 だが指揮権だけで軍は動かないので、作戦にもとづいて実際の日米共同訓練を盛んに行って、命令が来たら直ぐにでも米軍の指揮下で自衛隊が動けるようにしている。陸海空それぞれの司令部は米軍基地内にある。 
 カギは、C4Ⅰ(Command Control Communication Computer Intelligence system)。軍隊の情報処理システムで、指揮官の意思決定を支援して作戦を計画・指揮・統制し、部隊に命令や情報を伝達するシステム(統合戦術情報伝達システム/戦術データ・リンク)で、これは米軍が握っている。
 九条下で、実態はここまで進んでいるので、実態的に自衛隊憲法違反。自衛隊は、日本の軍隊ではなく、米軍の使いかってのいい一部隊になっている。