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核先制使用に首相「反対」
米司令官に伝達 抑止力低下 懸念
米国が核兵器の先制使用の政策を変更しようと検討している事に関し、ハリス米太平洋司令官に伝えたそうだ。
これは核兵器の廃絶を願っている国の首相にふさわしくない「暴言」=大問題だと思う。
米国は、通常戦力でも核戦力でも実戦配布をしている圧倒的な軍事大国だ。米国に逆らい、身を亡ぼすような国はいない。(75年前、米国を奇襲した日本は例外)
米国は大戦後世界各地で、専制的に侵略戦争と武力介入を繰り返してきた。だから米国以外の国に「抑止力」は、必要かもしれない。強者より、弱者にこそ言える論理だ。だが強者が唱えるその理由は、自国民の説得のためだろう。軍拡のため、予算獲得のため、戦場への動員のためだ。
その米国が「核抑止力」は維持しながらも、「核の先制攻撃」は、やめようか、とオバマ大統領が検討という事だ。
報道で安倍首相は、「北朝鮮の核開発」への抑止力が低下しないように、とかが理由らしい。だが、これまでの「核先制攻撃」政策でも、北朝鮮の核開発、ミサイル開発の抑止力に全然なってないじゃないか。逆だろう。中国は「先制不使用」の立場をとっている。
「抑止力」論の前提は、「自分の国は正しく」「相手は、いつ攻撃してくるかわからない凶暴な国」との決めつけがある。だが相手も同じ「抑止力」の論理で、警戒・軍事力を強めている。
考えるべきは、それぞれの主権者が「安全保障」と「平和」について考え議論することだろうし、相手の国の国民と交流・議論をする事だろう。
「暴言」を吐く安倍総理は、ケシカランと思う。しかし、「暴言」を暴言とせず、そのケシカラン人物を首相に選び、高支持率で支えている国民の方にも考えるべきことがある。
もっとも、権力者から情報は隠されるので、主権者としては、事実を求める努力が前提として必要だ。メディアの報道も吟味が必要、情報の主権者になる必要である。