サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

自衛隊の国民監視差止・賠償請求訴訟

 秘密法が衆院で強行され、各紙は批判的記事で埋まっています。
 残る参院での攻防がすでに始まっています。会期末まで2週間、いかに世論を急速に盛り上げるかにかかっています。頑張りましょう。
 平和大会の分科会に参加した時、自衛隊の「情報保全隊が市民を監視していることに対し、裁判で闘っている話を弁護士さんから聞きました。
 裁判で自衛隊側は、証拠の保全隊資料を自衛隊のものかどうか、「公務に関する秘密を明らかにすることになり、ひいては国の安全保障に影響を及ぼす」と、否定も肯定しなかった。殺し文句、「それは秘密です」、と言う事だ。「情報の保全の隊」ではなく、「国民の監視・情報収集隊」だ。と言う事で、私のつたないブログも収集され記録されているのでしょう。
 秘密保護法が成立すればどうなるのか?。今回のような判決はされないだろう。公安、警備警察が動くよなー。安倍政権、中国のまねごとだ。
 闘いの結果、仙台地裁の判決は、勝訴(一部)だったそうで、その声明を紹介します。

自衛隊の国民監視差止・賠償請求訴訟判決に対する声明 2012年03月26日

1,本日、仙台地方裁判所は、自衛隊の国民監視差止・賠償請求訴訟につき、原告107名中5名に対し,慰謝料の支払いを命ずる判決を言い渡しました。

2,2007年6月6日、陸上自衛隊情報保全隊の国民監視文書が公表されました。監視文書には、例えば、国民の地元スーパー前でのコンサート、街頭でのアピール行為等の自衛隊イラク派兵反対運動など個人・団体の幅広い行動が、「イラク自衛隊派遣に対する国内勢力の反対動向」「反自衛隊活動」として自衛隊によって監視され、個人名も含めて、詳細に記載されていました
 私たちは、自衛隊によるこのような監視活動は、国民の思想信条の自由・プライバシー権はもとより平和的生存権を侵害する重大な違憲・違法な行為であるとして、人権保障の最後の砦である裁判所へ、司法救済(差止請求・損害賠償)を求め、2007年10月5日、提訴しました。

3、判決は、「自己情報をコントロールする権利は実体法上の権利とは認められない」との被告の主張を排斥し、「自己の個人情報を正当な目的や必要性によらず収集あるいは保有されないという意味での自己の個人情報をコントロールする権利は、法的に保護に値する利益、すなわち人格権」として確立されていると宣言しました。その上で、自衛隊情報保全隊が、原告らがした活動等の状況等に加え、氏名、職業、所属政党等の思想信条に直結する個人情報を収集して保有したことを認定し、人格権侵害に基づく慰謝料の支払いを命じました

4、この判決は、自衛隊が文書の存在すら認否しなかったにもかかわらず、「真の原本が存在し、かつ、これらが情報保全隊によって作成されたこと」を真正面から認めたものです。また、上記のように、自己の個人情報をコントロールする権利を人格権に位置づけて、自衛隊情報保全隊の情報収集・保有行為を違法と判断した画期的判決です。

5、他方で、「個人情報を収集して保有したと認めるには足りず」として、他の原告の慰謝料請求は退けています。しかし、自衛隊情報保全隊から監視されること自体が大きな人権侵害であり、これを違憲・違法と宣言すべきでした。
 また、判決は自衛隊情報保全隊の監視行為の差し止め請求については、特定性を欠くとして不当にも却下しました。監視による情報収集・保有行為が違法であることを認めながら、その差し止め請求を却下したことは一貫性に欠けるものと言わざるを得ません。

6、請求が認められた原告(被災者)の一人は、「震災時の自衛隊の活動に対し、感謝の気持ちでいっぱいです。しかし、国民を監視するようなまねはしないでほしい」と証言しました。私たちも同じ思いです。
 私たちは、本判決で示された違法行為につき、自衛隊及び国(国会)に対し、なぜ自衛隊が本件監視行為という暴走行為に及んだのか、徹底した原因究明および防止策を求めます。

  2012年3月26日  自衛隊の国民監視差止訴訟原告団 自衛隊の国民監視差止訴訟弁護団
 自衛隊の国民監視差止訴訟を支援するみやぎの会  

 判決文
    各紙の判決文への社説
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