サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

環境革命の虚実

 中央公論3月号で「環境革命の虚実」の特集があったので買って読んだ。
 編集姿勢は、政権や経済よりと思えるが、斎藤幸平さんと藤原辰史さんの対談もあり勉強になった。
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f:id:adayasu:20210718193346j:plain:right 小泉進次郎環境大臣のインタビューは、「再生可能エネルギーとEV抜きに日本の未来は描けない」との表題で、面白く読んだ。
 だが彼は、ごまかしも含め自分の努力のアピールがうまいと思う。おそらく環境大臣として真面目に考えている部分が相当にありながら、しかし環境対策が本気でない菅政権の閣僚としての立場もあって、その辺の表現(ごまかし)がとても上手で、読者は受け入れしやすいだろう。
 例えば石炭火発の見直しでは、環境大臣として、外国への輸出プロジェクトの政策変更を-「動かしても動かせなかった動かせなかった象徴的な政策」を前に動かしたとアピールする。
 では、日本での石炭火発の建設はどうなのか? 自分のおひざ元の横須賀で石炭火発を作っているではないか、何がカーボンニュートラルか、と言いたい。
 また、原発依存は相変わらずだずだ。老朽原発さえ再稼働させ、危険な原発で、コストもかなり高い原発を通算50年も60年も動かそうとする。危ないのに、インタビュー者も、肝心なその辺のことは聞かない。
 ここに、政権と相対的に違う立場で「頑張っているんだ」との自己アピールがある。だから本当の「脱炭素」「再エネ」「地球環境」対策とは相いれないものがある。本気なら大臣辞任覚悟でもっと主張すべきだろう。
 小泉大臣のインタビュー、語りがうまいので、読者としても、事前の知識が問われるだろう。