サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

地球の目線-環境文明の日本ビジョン

地球の目線 (PHP新書) 地球の目線」(PHP竹村真一)を読み終えました。読み応えのある内容でしたが、何をどう書くか、戸惑うところです。
 「人類と地球の共進化」論は、たいへんおもしろく、ホントにそうなればいいなーと思います。
 竹村氏は「人類はその技術文明が進歩しすぎたゆえに自然を破壊しているわけではなく、その幼年期の未熟さゆえに、自然に負荷をかけてきた」とし、「だが人類はいま、ようやく、新たなフェイズで『地球と人類の共進化』をデザインしうるだけの科学技術の知的成熟へとジャンプしつつある」と、かなり確信をもって主張する。
 人類と、科学・技術を正しくコントロールしうるとの人類への信頼が高い。かなり楽観的だ。私も、ぜひ、そう願いたい。
 しかし、北極海氷の現実を見ると、私は悲観的にならざるを得ない。今日は、3,863,906 km2にまで減少した。減少速度は、以前として高いままだ。JAXAのモニターを見るとグリーランドの横やシベリア側は、まだまだ融け出しそうだ。
 これほど融解がすすむと、広大なアルベドの変化で、長期間で、どんな温暖化加速の正のフィードバックが起こるのか不安でたまらない。
 今もすすんでいるシベリアやカナダの永久凍土の融解によるメタンやCO2の放出、海洋のメタンハイドレートからのメタン放出が更に加速する。早ければ2015年、あるいは2030年には海氷が消滅するなど、まざまな研究が発表されている。
 やがて北極だけで、人類が出している温室効果ガスを上回るメタン(CO2の20倍以上の温室効果)の自然放出になるようだ。つまり人類が温室効果ガスをゼロにしても、ガスで出て温暖化が止まらず加速するという事だ。
 海氷激減についてメディアいの取り扱いは極めて小さい。これでは「人類と地球の共進化」の本格化の前に、人類の「狂信化」は止まりそうにない。
 しかし、まだ間に合うかもしれない。