サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

AERAの民主主義

 AERAが紺色の「民主主義」の特集を出しています。良質の紙にページ数も多く内容も豊かで、920円とお得でした。
 貧国・格差・労働、運動・政治、憲法・民主主義について対談やインタビューなどから構成されています。
 共産党の志位委員長のインタビューも載っていましたが、この1年、時の人だった奥田愛基について紹介させて頂きます。
 奥田さん、中2の頃は不登校中だった。「とにかくこの狭い地元から飛び出して、誰も自分のことを知らない場所に行きたかった」と、自分で探し出した沖縄の周囲4キロ、島民50人の鳩間島に転校した。
 そこの里親だった仲宗根さんは「ここでは主張しなければ大人の社会に溶け込めない・島では。子どもであっても、一人の人間、一人の男子として対等に接する。それは、人と接することを拒んできた愛基にとっては厳しいことだったと思う。けれども、島を挙げて引き受けたからには、全員で彼を生かそうとした。愛基はその島の覚悟に見事に応えたのです」語っている。

AERAの民主主義 (AERAムック)

AERAの民主主義 (AERAムック)

 もう一人、社会学者の宮台真司さんは、奥田には「価値観の相違で敵を作らない」という一貫した行動原理がある、「憲法守れ」とは言っても、公の場で「9条守れ」とは明言しない。彼が優先するのは、内容よりも形式、目標よりも過程。SEALDsとして価値観を表明してしまうと、それに相反する人が乗れなくなってしまうことを理解している、と語る。
 アメリカのトランプや日本の橋下徹など、過激発言で人を引きつけるやり方とは違う、彼の新しい雰囲気が、新しい求心力となるかもしれない。
 次の大きな舞台が戦後初の憲法「改正」の国民投票となるなら、価値観よりもさらに大きな価値感で認識を広げる事が必要になってくるかもしれない。
 SEALDsは8月15日には解散するようだ。おそらく、必要な時期に、それぞれが何か新しく始めるためだろう。