「軍閥」と言う70年代の映画をDVDでみました。
加山雄三が毎日新聞の記者に扮した映画です。
開戦前からサイパン陥落に至る軍部の戦争立案と推進、新聞(現毎日)の報道などを扱っています。
「勝利か滅亡か 戦局はここまで来た」
「日本は建国以来最大の難局を迎えており、大和民族は存亡の危機に立たされている。大東亜戦争の勝敗は太平洋上で決せられるものであり、敵が日本本土沿岸に侵攻して来てからでは手遅れである」
「竹槍では間に合わぬ 飛行機だ、海洋航空機だ」
「大東亜戦争の勝敗は海洋航空兵力の増強にかかっており、敵の航空兵力に対して竹槍で対抗することはできない」と書いたようだ。
新名記者は開戦時から海軍を担当して半年間ほど、ガダルカナルで従軍して前線の惨状をつぶさに見聞きし、日本の窮状と大本営作戦の内容を把握していた。
当然、当時の東条首相は激怒し、8日後に新名記者を召集した。これは指名による「懲罰召集」だった。
新名記者が徴兵検査を受けたのは大正時代、年齢が高いその世代は1人も召集されていなかった。それで陸軍は、新名記者と同世代の大正時代に徴兵検査を受けた250人も召集した。かわいそうに、その多くの老兵全員が硫黄島で玉砕・戦死したようだ。
今の日本の軍事体制に戻ろうとする現状からすれば、こんな映画を見て、もう一度、日本がたどった道について、自らがそれぞれの立場だったら、どうしたか?議論してみてもよいと思った。
どこでも戦争への過程では、ギモン、反対の意見があったと思います。しかしその主張の量や覚勇気と覚悟が足りなかったのだと思います。
そして犠牲は拡大した。東京大空襲、沖縄戦、広島・長崎、各地戦線の兵士・民間人、そして侵略を受けた国の人々、米国他の兵士。
いつか回りに呼びかけて上映会でもしょうかと思います。