サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

「熊本県新広域道路交通計画」の策定について

 「熊日」6/19付の4面に小さなか囲みで「温室ガス 30年度までに半減」-知事 政府上回る目標値 設定の記事が載った。
.
 蒲島知事が6月議会で2030年までに50%(13年比)の温室効果ガスの削減を表明した。これは政府の46%削減を上回る目標だ。
f:id:adayasu:20210703100218j:plain:right 知事が10年後の目標を表明したからと言って、実行までの責任は、残りの任期からいっても取らないだろう。
 しかしずっと続いている自民党県政としては当然、結果に責任を持つべきだし、県民もそれを迫るべきだ。
 だが、9年後までに温室効果ガス50%削減、本気でないことは、その上の大きな記事でよくわかる。
.
 県のHP-「熊本県新広域道路交通計画」(図)があり、その一部にSDGs(持続可能な開発目標)とSociety 5.0(ソサエティ5.0)のカラフルなイラストが載せてある。
 まさにSDGsの「バラ色」の社会をイメージさせ、大きな税金投入で開発・土地改変して、道路などの大規模な交通網を作ろうという計画だ。
https://www.pref.kumamoto.jp/uploaded/life/99079_155003_misc.pdf
 しかし、これまでの古い土建国家よろしく、地域環境も地球環境も破壊しながら、県民には、高い税負担と社会保障切り捨てを押し付け、まっすぐ破綻への道を突き進む、計画の本質はそんなところだろう。
.
 「新鉄道と新道路 両方必要?」とい見出しの記事だ。(熊日
 県民が望んでいるのは、なにより生活の安定だ。
 コロナ禍から、いったい何を学んでいるのだろうか。外国観光客をあてにしたインバウンドは、クルーズ船も来ないし破綻した。総括をしないから、同じ間違いをおこす。
.
 なにせ、2030年までに温室効果ガス50%削減、2050年までに排出ゼロを掲げながら、飛行機を過大に離発着させ、空港向けて鉄道も、それから道路もあちこちに造るというものだ。
 目前の崖にぶるかりそうなのに、まるでブレーキペダルに足を軽くのせるふりをしながら、アクセルを思いっきり踏み込んでいるようなものだ。
 このままではクラッシュする。
.
 日本は再エネが遅れ、EVも遅れているのに、CO2排出の多いコンクリや鉄を使って道路を建設する。愚かな話だ。
 これも昔の成功体験-「経済成長至上主義」にとらわれた、古い思考から抜け出せていないからだろう。
 しかも急速な人口減、生活苦、財政赤字に見舞われている現実を蒲島自民県政は直視していない。
 残念ながら、県民の運動も世論も弱い。責任を取らない、未来に対して。
 真のローカリゼーションこそ、県民の暮らし、地域経済を支え、地球環境を守る道なのに。
f:id:adayasu:20210703100222j:plain
kumanichi.com