核抑止論」の虚構(集英社新書・豊下楢彦著)のつづきです。
ニクソンの「狂人理論」というものがある。ベトナム戦争のころの事だ。
「北ベトナムに対し、戦争を終わらせるためならどんなことでも、やりかねないところまで来ている、と信じ込ませたいのだ。彼らにこんな言葉を漏らすのだーーとにかく、ニクソンは共産主義のことで思い詰めている。怒り出したら手がつけられない、しかも彼は核のボタンに手をかけているのだとーーこうすればホー・チ・ミンは二日も経たずに和平を請い願って自らパリ(交渉場所)に出向くだろう」ーーという話だ。
最近では、ウクライナ戦争でのプーチンの核使用チラつかせ発言を思い出す。
核使用の基準を見直したり、ICBM発射実験をしたり、ベラルーシに核を配備したり、、で本気と思う人もいれば、単なる脅しだろうと思った人もいた。実際のプーチンの胸の内、実行まではわからない。
またトランプも関税問題やら、あれこれ脅しをかけて交渉を有利にしようと過激な発言をやっている。
プーチンもトランプも「何をやるかわからない男‥」との不安を相手国に思い起こさせ、屈服させようとする。
朝鮮戦争の時もアイゼンハワー大統領は、「休戦協定に署名しないなら北朝鮮に核爆弾を投下すると密かに中国に伝えた」という。
結果的にか、休戦協定が実現し、朝鮮戦争は決着した。これらの結果は、米国の大統領や軍指導者が「核の威嚇」が決定的に重要であり、事態の決着につながったと信じ込んだのだろう。
しかし、いつでもこの「核威嚇」が通じるとは限らない。相手が核保有国だった場合は、結局、脅し合戦となり、実際にミサイルのボタンを押すことになるかもしれない。そうなったら世界はおしまいだ。
平和も戦争も、そんな指導者を選ぶ私たち主権者にと問われることになる。

近所の知り合いからもらった柿。
カメムシから食われた部分を削ると、他はうまかった。