サスティナビリティ考

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「核抑止論」の虚構⑦ 先制核攻撃戦略

核抑止論」の虚構(集英社新書豊下楢彦著)のつづきです。
 核関連資料からエルズバーグが指摘するのは、米国政府の公式の核政策の偽りだ。
 ソ連による第一撃を抑止し、第二撃で報復するとの政策は主要目的ではなく、米国がまず第一撃を打ち込み、それに対してソ連が行う報復によって米国が受けるであろう被害を限定することを目的としてきたという。
 1960年代末にまとめられた「単一統合作戦計画」では、ミサイルや戦闘爆撃機を総動員してソ連や中国の軍事目標ばかりではなく、すべての都市を初期段階で連続波状攻撃する第一目標そのものであり、モスクワに対しては広島型原爆の4000倍相当の爆弾が投下されることが想定されていた。
 爆撃後の放射性降下物による犠牲者の規模は、ソ連の場合人口1億7500万人の半分以上、中国の場合は人口約6億人の半分が見積もられていた。
 全面核戦争の用意は、米国の核兵器をすべてソ連が一発も打てない前に、同時に着弾させる計画さえ持っていたようだ。
 この「凶器の計画」は、アイゼンハワーケネディにもうけ継がれた。
 エウルズバーグは、「高度な情報入手資格」を得た1959年からハワイの太平洋軍司令部を拠点に基地に対する現地調査を実施。
 その結果、上官から攻撃命令が下された場合、常時二人の担当士官が勤務する「二人要件」が大前提だったが、実際には守られず、担当士官1人の場合もしばしばだったという。