「検証 安保法制10年目の真相」ー『仙台高裁判決』の読み方(朝新)の続きです。
安保法制が成立して10年がたった。
仙台高裁の小林久起裁判長が下した判決文の一部を引用すると、
第3 当裁判所の判断
1 集団的自衛権と憲法との関係についての政府の憲法解釈の変更
2 新3要件と憲法及び集団的自衛権との関係についての政府の国会答弁
3 集団的自衛権行使容認の違憲性に関する長谷部教授の意見
4 平和安全法制に関する国家賠償法1条1項の違法性の判断基準について
5 平成26年閣議決定と平和安全法制の明白な違憲性の有無について
「一方で、新3要件の下で認められる他国に対する武力攻撃の発生を契機とする武力の行使は、あくまで、「これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があること」、「これを排除し、我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がないこと」という要件をも満たす場合に限られ、その限りで国際法上の集団的自衛権の行使が憲法上容認されるという解釈が示されたものであって、国際法上の集団的自衛権の行使が全体として憲法上容認されるという見解が示されたものではない。
内閣総理大臣も、国会において、平成26年閣議決定により憲法上許容されると判断するに至った武力の行使は、新3要件を満たす場合に限られており、あくまでも、我が国の存立を全うし、国民を守るためのやむを得ない自衛の措置に限られると答弁し(前記2⑴①)、上記の趣旨を明確に述べている。
新3要件の解釈について、内閣法制局長官は、国会において、第1要件の「他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある」とは、他国に対する武力攻撃が発生した場合において、そのままでは、すなわち、その状況の下、国家としてのまさに究極の手段である武力を用いた対処をしなければ、国民に、我が国が武力攻撃を受けた場合と同様な深刻、重大な被害が及ぶことが明らかな状況であることをいうものと解されると答弁し(前記2⑵①)、第 1 要件のうち「我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある」とは、「我が国が武力攻撃を受けた場合と同様な深刻、重大な被害が及ぶことが明らかな状況」に限られるという解釈を示した上で、第1要件に該当するかどうかについては、我が国に戦禍が及ぶ蓋然性、国民がこうむることとなる犠牲の深刻性、重大性などから客観的、合理的に判断することになり、明白な危険は、単なる主観的な判断や推測等ではなく、客観的かつ合理的に疑いなく認められることをいうとの解釈も示し(同②)、第2要件の「これを排除し、我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がないこと」の趣旨について、他国に対する武力攻撃の発生を契機とする武力の行使についても、あくまでも我が国を防衛するためのやむを得ない自衛の措置に限られ、当該他国に対する武力攻撃の排除それ自体を目的とするものではないとの解釈を示している(同③)」
「平成26年閣議決定と平和安全法制において憲法上容認されると解釈された他国に対する武力攻撃の発生を契機とする武力の行使は、あくまでも我が国を防衛するためのやむを得ない自衛の措置に限られ、一般的な集団的自衛権の行使として許容される当該他国に対する武力攻撃の排除それ自体を目的とする武力の行使は、国際法上は許されるとしても、憲法上は許されないことに変わりがない。また他国に対する武力攻撃の発生を契機とする武力の行使は、我が国が武力攻撃を受けた場合と同様な深刻、重大な被害が及ぶことが明らかな状況が、我が国に戦禍が及ぶ蓋然性、国民がこうむることとなる犠牲の深刻性、重大性などから客観的、合理的に判断して認められる場合に限られるという国会答弁に示された厳格かつ限定的な解釈の下に、平成26年閣議決定による武力の行使の新3要件も、存立危機事態における防衛出動を可能とした自衛隊法76条1項2号の規定も、厳格に解釈運用されなければならない」
いっぱい書いてあり、難しい法律論議にも思えるが、事は簡単だ。
安保法は、Aの事態に自衛隊の防衛出動ができるが、Bを契機にAの事態になった時も防衛出動が可能ということ。
Aとは日本への武力攻撃、Bは他国への攻撃(集団的自衛権)
これを厳格に守れば憲法違反とまでは言えないとし、現実にはあり得ない事態。
仙台高裁判決で、司法は一定程度頑張った面がある。
国民も10年前に頑張ったが、押し切られてしまった。
そして、いま、さらに進んで中国に届くミサイルを配備し始めた。
弾薬庫を新設し、ミサイルなど弾薬を大量に貯蔵、継戦能力の向上。
指揮統制は米軍が握り、繰り返し日米の訓練・演習が行われている。
健軍自衛隊など、司令部や重要施設の堅固化、地下化、抗堪性が取られている。
各地の民間空港、港湾施設も軍事利用が可能となり、本番向けの訓練が行われている。
南西諸島から九州・熊本への住民避難の計画が進み訓練が行われる。