「父が娘に語る経済の話」の続きです。
マルクス経済学では、使用価値と交換価値が商品に含まれるという。
別の意味で、バルファキスは経験価値をいうものと提示している。
自分の経験で、
とある港町、コスタコ船長は、船の錨が海底の岩に挟まり、引き上げようとしたら鎖が切れてしまった。
近くにいた知り合いのバルファキスに、船長は、「先生、ダイビングがお好きでっしょう?ひとつ潜って、この縄を鎖に結んでもらえませんか?」と頼んできた。
「いいよ」、人助けのチャンスと思って喜んで海に飛び込んだ。
船長の頼みで、海に飛び込むのは楽しかった、とバルファキス。
もし船長が「おカネを払うから海に潜ってくれと頼まれたら、喜んで潜っただろうか? 海に飛び込むことを楽しめただろうか?
おカネを払うといわれたら、人助けの喜びや冒険のワクワク感がなくなってしまう。
商品にはない価値、経験価値。なるほど。
知らなかったけど、献血が有償の国では、無償の国よりもはるかに血液が集まりにくいそうだ。
お金につられる献血者は少なく、逆におカネを支払うと善意の献血者はあまり来なくなる。これまたナルホド。
グッズは商品の事だが、もともとの語源はグッド、良いことの意味だそうだ。
経験価値はグッド、good。こちらの方が温かく、人間社会に必要な気がする。なんでもかんでも商品社会は、大事なことを忘れさせる。
さて、こちらの写真は、GOODですね。NICEです。