サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

父が娘に語る経済の話② 経験価値

 「父が娘に語る経済の話」の続きです。
 マルクス経済学では、使用価値と交換価値が商品に含まれるという。
 別の意味で、バルファキスは経験価値をいうものと提示している。
 自分の経験で、
 とある港町、コスタコ船長は、船の錨が海底の岩に挟まり、引き上げようとしたら鎖が切れてしまった。
 近くにいた知り合いのバルファキスに、船長は、「先生、ダイビングがお好きでっしょう?ひとつ潜って、この縄を鎖に結んでもらえませんか?」と頼んできた。
 「いいよ」、人助けのチャンスと思って喜んで海に飛び込んだ。
 船長の頼みで、海に飛び込むのは楽しかった、とバルファキス。

 もし船長が「おカネを払うから海に潜ってくれと頼まれたら、喜んで潜っただろうか? 海に飛び込むことを楽しめただろうか?
 おカネを払うといわれたら、人助けの喜びや冒険のワクワク感がなくなってしまう。

 商品にはない価値、経験価値。なるほど。

 知らなかったけど、献血が有償の国では、無償の国よりもはるかに血液が集まりにくいそうだ。
 お金につられる献血者は少なく、逆におカネを支払うと善意の献血者はあまり来なくなる。これまたナルホド。
 グッズは商品の事だが、もともとの語源はグッド、良いことの意味だそうだ。
 経験価値はグッド、good。こちらの方が温かく、人間社会に必要な気がする。なんでもかんでも商品社会は、大事なことを忘れさせる。

 さて、こちらの写真は、GOODですね。NICEです。