サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

「トランプ信者」潜入1年① 冤罪

 1089年4月、ニューヨークのセントラパークで20才代の白人女性が強姦された上に瀕死の重傷を負う事件があった。(セントラルパーク・ジョガー事件)
 逮捕されたのは、14才から16才までの5人の少年たち。
 4人は黒人、1人はメキシコ系だった。

 トランプは事件の直後、ニューヨーク・タイムズ紙を含む地元4紙の1面を買い取り「死刑を復活させよ。警察を復権させよ!」という意見広告を載せ、5人の容疑者を死刑にすべきと主張、記者会見も行った。
 ジャーナリストのマイケル・ダントニオ氏は、トランプの行動に対しテレビで、
「トランプの言葉の裏には、5人の有色人種の未成年者が、白人女性にひどい暴力をふるい、みんなが怒り心頭になっているということがあります。彼らは白人であるわれわれとは違うんだから、極刑をもって処するべきだ、という気持ちがあるのです」と解説。
 その背景には、奴隷制度いらい、黒人男性と白人女性の性行為に対し、白人男性の特別の怒りが沸き上がるようだ。白人男性の黒人女性への性行為は、そうでもないかもしれない。

 実はこの事件は、5人の少年たちが警察から虚偽の自白を強要され、判決も実刑となった。
 事件から13年後の2002年、別の事件の服役中の男がセントラルパーク事件の犯行を自白行った。DNA鑑定もこれを裏づけ、少年5人は無罪となった。
 被告側弁護団は、トランプに対し、人種問題をあおった広告を出したとして謝罪を求めた。
 これに対しトランプは、「ヤツらは自白したんだ。今となって、自白を取り消すなって、俺はいったい誰を信じたらいいんだ」のべた。
 ニューヨーク市が5人を和解して賠償金を払った事に、トランプは和解は「恥辱」とし、「和解は無罪を意味しない」との意見記事を新聞に寄稿している。

 ルポ「トランプ信者」潜入一年-横田増生著(小学館新書)を読んだので紹介します。トランプ氏が最初に大統領に当選するころまでのルポです。
 4年経て、再び同じ選択を有権者がするなんて。2回目のトランプ皇帝の作り出した米国民、世界は今、大混乱。