レジリエンスの時代のつづきです。
GPSは、とても便利で社会に定着し、不可欠なものだ。
しかし、どんなものでも、その仕組みからくるプラス・マイナスは知っておくべきだ。
著者はGPSを、現代版パナプティコン(前展望監視システム監獄)と呼び、GPSの原子時計と、地表に届く信号は、まるでグローバルな脳と神経系のように振る舞い、経済活動や社会生活や、時間と空間全体での統治を調整する、という。
たしかに。
(写真:GPSイメージ-ウィキより「)
支配者は、時の支配から始める。
GPSは、スマホを持ったり、カーナビで車を走らせている人々の位置、その時間を正確に知らせる。
土地の測定、建設、資源の探査、動物や植物の管理、車での移動から人と人の待ち合わせまで、この信号に頼っている。
もともとGPSの発端は軍事目的で、目標を攻撃する位置情報管理だった。いま行われている、ウクライナや中東での爆弾、ドローン、ミサイルの攻撃ために使われている。
現在、GPS、その他(EU-ガリレオ/ロシア-グロナス/中国-北斗衛星導航系統)の衛星測位システムからの信号を受信している機器は、4億台もあり、るという。
著者は問題点も指摘する。
人々は、日課の管理を日が出て沈む地球や自然のリズムから、GPSに日課を管理させ、個人や集団としての主体性の感覚を幼稚化させると。空間関係を把握したり、体のリズムをまわりの世界と同調させたりする認知能力が低下している事が臨床試験で明らかになってきているという。
「GPSによる死」。
www.bbc.com
GPS誘導のグーグルマップを頼りに車を運転して、未完成の橋から転落した死亡事故がインドで起きた。
GPSに頼りきりになり、普通なら気づくはずだが、橋が途中で切れているのが分からなかったようだ。
自動運転車。
車中、移動も音楽も映像も機械の提案に従う。
社会生活-趣味も恋人選びも就職も、なんでもかんでもAIにお任せ。すべてはサーバーに記録され、自分よりも私を知っている。
人々が機械に任せきりになると、他でも似たようなことが起こりうる。