サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

日本の国境問題②

 孫崎亨著の日本の国境問題のつづきです。
 最終章の「感情論を超えた国家戦略」にトーマス・シュリング教授の「紛争の戦略--ゲーム理論のエッセンス」からの引用がある。
「〝勝利〟という概念は、敵対するものとの関係ではなく、自分自身が持つ価値体系との関係で意味を持つ。このような〝勝利〟は交渉や相互譲歩、さらにはお互いに不利益性、被害の程度を最小化する形で戦争を遂行する可能性、そして戦争をするのではなく、戦争をするという脅しによって相手の行動をコントロールする可能性、こうしたものがわずかでも存在するならば、紛争の要素とともに相互譲歩の可能性が重要で劇的な役割を演ずることになる」
 一般bに国家は、相手からどれだけ獲得するかを勝利と考えている。シュリング教授は「相手からうばいとるだけが勝利ではない。多くの国家目標の中で何が一番大事かを見極める。これこそ国家戦略の一番重要なポイントだ」と説いている。
 なるほどといえば、なるほど。

 あまり知らなかったけど、ドイツは戦争に負けて、大幅に領土を取られたようだ。
 戦争に勝ったソ連ポーランドの東部地域を自国領とし。その分、ポーランド領が西のドイツに広がり、11万2000平方㎞割譲された。そのに住んでいたドイツ人は移住させられた。
 またアルザス・ロネーヌ地方(九州の7割に面積)はフランスへと分割された。
 ナチスドイツが戦争に負けたから仕方がない、と言えるかもしれない。
 だけど西ドイツは、急速に発展した。
 国境や領土問題にこだわることなく、周辺国との友好を重視する新しいドイツの価値観に従って発展した。
 さて、日本の領土問題は?

オーデル・ナイセ線 - Wikipedia