佐々木隆治著(ちくま新書)の「カール・マルクス」の続きです。
下の「ワーカーズ ブログ」の斎藤幸平批判が勉強になった。
私も批判文を読むとナルホド、違う本を読むと、ソダなぁとなるレベル。専門家でもないし当然のこと。
ただ、地球危機打開に重きを置いて考察している分、斎藤氏の考えに共感する。人間による地球破壊からの回復は全ての事柄の前提だから。
事実を歪めることはできないが、地球と人間の現実の考察、対処については、より能動的であるべきと思う。
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この方の、マルクスの「ザスーリチへの手紙」を展開する斉藤氏への疑問や批判も、西野勉氏の批判と似ていて勉強になった。
こんな批判に斎藤氏はどう回答するのか知りたいところだ。(この方、第四インター関係の方ようで「公正な脱成長」を主張しておられる)
www.jrcl.jp)
adayasu.hatenablog.com
で、佐々木氏の「カール・マルクス」で、彼らの批判にない新しい部分を知る事ができてとても面白かった。
マルクスはザスーリチへの返事として3つの草稿を書いたが、返事は簡潔なものだった。
その要点として佐々木氏は3つあげる。
①近代主義的な歴史観を明確に否定した。
それはマルクスが、本源的蓄積に関し、「資本論」フランス語版(1872-75)で修正し、西ヨーロッパ以外の、共同体的所有が強固に残存する社会においては異なった歴史発展の道程をたどりうるとした。
近代社会が優れていて、共同体など古い社会は遅れた社会とされた考えを否定した。
物質代謝の亀裂を生まない、つまり持続可能な社会という点で。
そりゃそうだ。現在の資本主義がどんなに物質的な「豊かさ」を与えようとも、人間が住めなくなる地球になってはお終いだ。
ならば、地球がおかしくならないなら、物質的に過剰に豊かでなくでも、その方が幸せだろう。
(つづく)