サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

地球沸騰時代にどう立ち向かう-江守正多

 今週の「赤旗」日曜版に国立環境研の江守正多さんのインタビュー「地球沸騰時代にどう立ち向かう」が載っています。
 地球沸騰時代という言葉は、国連のグテーレス事務総長が言い始めた。
 言葉は最初、温暖化→気候変動→気候危機→気候非常事態‥‥→気候沸騰。
 ショックングな言葉で危機を表現するにはいいが、この過激さの言葉に慣らされ、言葉なみの対応が進まない。悩ましい。
今年も熱波、森林火災、洪水、氷河氷床融解と危機進行しているが、その報道も時にあるが、このままティッピングポイントを通過しそうだ。人々、社会に言葉の広がりは大事だが、言葉が意味する地球の変化の科学認識が弱い気がする。
 気温上昇は問題だが、海水温の上昇が熱容量として、はるかに大きく問題になる。日本近海の海面水温はこの100年間で1.2℃上昇しているという。世界平均は0.6℃。大気外にも、かなりの熱を溜めているということだ。
 江守さんは「エネルギー正義」という考え方を紹介し、「分配的正義」「承認の正義」「手続き的正義」の3つで日本は問題を抱えていると指摘する。「手続き的正義」の関わりでは、気候市民会議の広がりが重要。
 

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 最後に江守さんは、「脱過剰消費」の必要性を説く。
 化石燃料から再エネに置き換えたとしても、消費自体が増えれば再エネは需要に追い付かないこと。
 増え続ける消費で本当に幸せなのか?
 過剰消費させられているのではないか?と問い、社会システムの変化が必要という。
 そのとおりと思う。斎藤幸平氏が言う「脱成長」ではないがその考えを含んでいる。
 過剰消費の前提は、過剰流通であり、過剰生産であり、過剰な自然の採掘・掠奪であり、過剰な労働だ。
 これを減らせば、人も自然もちょうど良くなる。