サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

「基地国家日本」の形成と展開⑥

 23年前に松竹氏が書いた「『基地国家日本」の形成と展開」では「安保条約をなくす独自の努力を」という項目がある。
 安保条約の廃棄へ、どうしても向かわなければならないとし、
①「東アジアにおいては、非核地帯になることと軍事同盟を廃棄することが密接にかかわっているからである」「安保条約にのもとにあることと非核を求めることのあいだには克服することのできない溝が存在する」と述べている。
②「アメリカへの従属による外交戦略の欠如が、日本国民の生命と安全脅かしかねない地点まで達している」
 まさにその通りだと思う。ますますもって。
 そしてこの本の締めくくりは、こうだ。
 「日米安保条約をなくすことはアメリカの同意を必要としない」「日本側が安保条約の終了を通告すれば、それを守ることがアメリカの法的義務になる」
 そもそも他国の軍隊が長期間、占領を継続しているような事態を想定しているから、一方の国の通告から1年で条約解消と決められている。
 1951年J・F・ダレスが講和の細目を検討するため来日した。次の発言が有名だ。
我々は日本に、我々が望むだけの軍隊を望む場所に望む期間だけ駐留させる権利を獲得できるであろうか?これが根本問題である
 72年も経つ今日でも、ダレスの狙い通りになっていて、国民の安全のための国内法が米軍には適用されず、やりたい放題になっている。
 米国の押し付けも相当ヒドイが、鬼畜米英を叫び特攻隊まで出撃させた旧日本軍、その流れを受ける今日の関係者にはあきれるばかりである。(写真・ダレス-ウィキペディアより)
 自由に基地が使える実際のダレスの法的流れは、地位協定・合同委員会→安保条約→サンフランシスコ講和条約となっている。
 この米軍基地から発進、発艦した部隊が、他国にどれほど爆弾を落とし、ミサイルを着弾させ、化学剤を撒き、地上戦を行って他国民を殺害し、苦しめたことか? 多くの国民は自覚していないが、その責任の一端は日本政府と国民にある。
 日本は、米国への妄想依存が長くなっていて、感覚が麻痺しているが、世界には軍事同盟に加盟しないで平和を維持している国が圧倒的に多い。
 松竹氏は、日米安保の本質も、軍事同盟に参加しない国々の思いも忘れてしまったのか‥‥。