宇沢弘文と言えば、「社会的共通資本」で有名、対立的な新自由主義、シカゴ大学でM・フリー―ドマンと対立した学者。
その人が「地球温暖化を考える」--こんな本を書いていたとは知らなかった。しかも出版は1995年、そのころに誰か、私に勧めてくれれば一生懸命読んだのに‥。
科学的知見が進んだ今からいえば、当然ながら内容は新しいものはない。しかし30年近くも前に、経済学者が当時の最先端の地球温暖化の科学をわかりやすく説明していて、すごいと思った。知らなかったのを恥じたいぐらい。
第6章に炭素税の考え方--の章がある。著書の「自動車の社会的費用」の話があって、つまり自動車のコストは、交通事故や土地やその他の損失のコストは、見かけより大きい事。加えて自動車が出すCO₂の温暖化作用-環境破壊⇒その回復にかかる費用を加えるとさらに大きくなる。
これらは、環境負荷がコストに反映されていない「市場の失敗」を物語る。