サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

日本共産党--中北浩爾著

 中北浩爾著の「日本共産党」を読んだ。
 というか、途中まで読み、飛ばし読みをして、面白くないし、私にとって価値もあんまり見いだせないので、残りは暇になってから読むことにしたい。
 政治学者の中北浩爾氏の「100年間の日本共産党」歴史考察。共産党への評価より、どちらかと言えば批判の中に、新しいもの、価値あるものを期待して買ったのだが、外れた。
 もちろん反共本ではない。良く調べてあり、引用もあり、共産党の歩みの内容が新書にしては膨大で、それはそれで役にもたつけど、、それで何?って感じ。
 「はじめに」の最後の部分に、野党共闘や党組織の現状を紹介し、宮本路線の限界を指摘し、路線転換の選択肢を論じると書いてあり、「終章」に、路線転換するとすれば、一つはイタリア共産党のような社会民主主義への移行、もう一つは民主的社会主義への移行、と書いている。
 このあたりを、欧米の動きやZ世代の流れなど、深く広く展開してくれれば、もっと参考になる面もあったと思うのに残念。他の野党の離合集散の繰り返しも目の当たりにしている今日、政党組織論として、共産党の組織論の深め方が足りない。
 共産党への弾圧問題も記しているが、弾圧される側の身になったことのない、差別や偏見に晒されたことのない、メディアの一方的な反共的宣伝に晒されたことがないだろう、著者はそんな立ち位置なので、そこには全く思いが至らない感じがする。
 本の帯に、「秘密裡の結党」と書いてある。今と違い秘密でなければ、逮捕投獄・拷問され殺され、戦争反対も天皇軍国主義も、国民主権も言えない時代。弾圧した特攻警察の役割は、現在にも引き継がれている。逆に戦争を進めた、公然と政治結社できた政党はどうなのか、比較評価はない。
 「武装闘争、平和革命路線への選択ーー」とある。「武装闘争」のそれは、共産党の公式方針ではなかった。朝鮮戦争反対を押さえつけるための弾圧を行った権力側、政権政党・公安・警備警察側の宣伝だ。昨年の衆院選の時期にも繰り返された破防法論である。弾圧し、拷問し、虐殺し、獄死させた側、人物は裁きを受けたのか? 逆に出世したのに、その意味は書いてない。「秘密裡‥」怪しげキャッチコピーが売れるとの考えのだろう。それが権力側に位置するとの認識はあるのだろうか。
 反共攻撃=事実にもとづかない、支配権力とメディアが貼り付けた、現在も実行されている支配のための偏見レッテル張りについて考察はなく、全くもって疑問に思っていないフシがある。
 マルクス論や日米安保問題も、現実と本質を直視した考察は感じられなかった。(思い返して修正する事があれば、修正加筆したい)2軒も本屋回って買って損した思い。