サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

アサリに聞けば…産地偽装

 熊本産アサリの偽装が問題になっている。
 問題は、漁業者、流通業者、消費者それぞれが抱えていて、人間社会にある。なので、
 人間に聞いても本当のことはわからない。
 アサリさんに聞いてみるのが一番いい。
 私がインタビューしてみます。
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 もしもし、アサリさん。
 人間社会の中で、アサリの産地偽装が問題になっていますが、どう思いますか?
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f:id:adayasu:20060712210301j:plain:left 中国から来たアサリさん
 生まれて育ったところ、海は少しづつ汚れてきて住みづらくなってきた。
 でもまだ、生きていけた。
 私らの子やその子らは、生きていけるのか、子孫を残せるのか心配だ
 人間でいえば中学生になった頃、ほじくり返され船で運ばれ、車で運ばれ、日本の汚れた砂浜にばらまかれた。
 息苦しい、とてもじゃない。
 若い貝なので体は持つが、しばらくしてまた掘り出され、店にならばされた。
 人間の女性に買い取られ、台所に運ばれ、今度は熱い鍋で最後を迎える。
 なんとも不幸な貝生だ。
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f:id:adayasu:20060712210302j:plain:left 日本の有明海のアサリさん
 もう20年も30年も前から、わしらは子孫を残すことができんごつなった。
 理由はわからんとたい。
 人間どもが、いろいろ研究しとるごたるバッテン、そがんだろタイ。
 梅雨のときゃー、砂場に泥水がいっぱい流れ込んでくる。
 セメントは、嫌バイ。海岸はコンクリートで固められる。
 昔はおらんだったナルトビエイがわしらを食べにくる。
 潮の流れも変わって、緩やかになり過ぎた。新港てろん、諫早干拓てろんあって、息苦しかばっかし。
 人間は、不妊治療バしとるごたるバッテン、わしらにそがん治療はなかー。人間たちが言うとる環境ホルモンがあっとか知らんバッテン、子どもができんごとなった。
 最近はプラスチックの小さな粒も、わしらの体に入ってくるゴツなった。
 他の貝も魚もゴカイも、生き絶え絶えに、生きとるごたる。
 もう、この海は、わしらは生きていけない海になってしもうた。
 そがん砂浜に外国で採ったアサリを運んで来てまいて、苦しさを与え、しばらくして掘り出す……人間は、おかしかバイ。
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 アサリさん達からは、そんな声が聞こえてくる。
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 人間としては、そもそも、海を汚し、アサリが生息できないような環境にしたことを反省し、元にもどす努力が必要だろう。偽装は本質でなく、やっていることは自然破壊の偽装だろう。
 自分で海を汚してアサリを生息できなくしたら、外国から持ってくればいいとする。この態度がゴーマンだろう。
 外国から輸入ができなければ、アサリは食べれなくなった。とする方が健全だ。自らの罪を自覚できる。
 アサリを食べたいなら、自分の国の海も砂浜も干潟も、したがって森も農地も街も汚さず、自然の生態系を回復させる事が必要だと知るべきだ。
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 おそらく、江戸時代だったなら、昭和の時代までだったなら、取り過ぎたら少しとるのをやめ、大事にしたはずだ。
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 アサリの世界は、他の生物種でも起きており、人間の世界、惑星規模でおきつつある。
  アサリの未来は人間の未来。