経済学者の宮川彰の斎藤幸平氏批判の動画み見た。埼玉県での資本論講座での動画です。
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ちょっと小ばかにした、笑いながらの批判は学者としてどうかと思う。
そういえば若い頃、東京学習協の講座で宮川彰とかいう人の講義を聞いたことがあったが、この人か…。
批判はざっと、
①方法論がおかしい。脱成長論は文明否定説、と批判する。
②賃金論、価値論、剰余価値論がでたらめ。
③未来社会論⇒脱成長・コミュニズムに騙されてはいけない
「ゴート綱領批判」がうんぬん…
しかしこの方、一般向け講座とは言え、批判するならするで、もう少し学者らしい、誠実な態度で言葉を選びながら批判できないものか?
若い学者だからと言って、なじったりバカにしたような批判はすべきでないと思う。
自分が学び研究したマルクス解釈が至上と思っているようだ。
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批判の角度が自分中心で、斎藤氏が展開している新しい主要命題についてではない。
まず、気候変動・人新世について言及がないのは決定的におかしい。斎藤氏が研究した晩年のマルクスの研究ノート類は全部読んでの批判だろうか? 「大洪水の前に」は読んだのだろうか? 批判するならその部分をこそ批判してほしい。
プラネタリーバウンダリーは理解しているだろうか? 気候正義は?
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未来社会論がでてくるが、はたしてそんな単純に未来がやってくると思っているのか?
現実は今世紀末には気温上昇が4℃~と上がり、来世紀には5℃6℃と上がり、海面上昇が数メートルになり、巨大台風が襲い、大洪水と干ばつの被害にあい、大量の生物種が絶滅すると科学者が警告しているのに。
斎藤氏はその危機を脱するためにマルクスの研究から学ぼうとしている。この地球の現実に対処し、回避しないと、人類に未来はないと科学者が言っているのに、果たして宮川氏は、それに向き合う方策を提案しているのか。本当に「科学的」社会主義者なのだろうかと疑ってしまう。
価値論のところは、私は勉強不足でわからない。
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宮川氏は、斎藤氏に会談・討論会でも申しこんでみてはどうだろうか。有意義な議論ができると思う。双方の問題意識が正され、私たちにとっても勉強になる。