- 作者:斎藤幸平
- 発売日: 2019/04/30
- メディア: 単行本
マルクスは出版された本以外に膨大な草稿や書き込みや抜粋のノートがある。晩年の10年間に生涯の1/3ほどの分量を作成し、その半分は、農業など自然科学に関するものだそうだ。(新MEGA版--第4部門が大事とのこと)
当時、問題になっていた土壌荒廃を招いていた「掠奪農業」、過剰な森林伐採が気候変化を起こし文明を持続不可能にしていた問題について、資本主義のもう一つの搾取、自然への搾取と収奪問題として考察されていたこと。
しかし、これらの研究成果を「資本論には、十分には取り込むことができなかった。もし反映されていれば「物質代謝の亀裂」の考えが資本論にも反映され、資本主義が社会問題とともに、自然の問題、エコロジー問題にも及んでいたはず。
「惑星の物質代謝」の表現が気に入ってますが本のタイトルは「大洪水の前に」です。まさに、豪雨と海面上昇の大洪水を起こさないように、どうするのか?
今日の惑星地球の現状を知る由もない古い時代に、マルクスは最新科学を学びこれだけのことを考えていた。
マルクスの自然観を現代的に発展させ、地球環境問題や持続可能な社会への理論的発展を、さらに現代マルクス主義者に期待したい。
マイケル・ハートという人が、「地球をコモン」として対応することを示しているようだ。自然を、地球を私的所有ではな、共同所有に。今を生きる人間の共同所有ではなく、未来わたる生態系含む共有として。
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もう少し知能があればと…私…。関心は強い理解力が弱く、まとめる力もない。