. サピエンス全史⑤--昨日の内容、時代をさかのぼると、開発主義、植民地支配の歴史に行きつく。
オーストラリア大陸を「発見」した西洋人はジェームズ・クック船長だと知られている。その発端は、地球は太陽からどれだけ離れているのか?、その距離を計算する観測のためだった。観測の適切な場所としてタヒチ島をめざして航行するなかで、オーストラリアやニュージーランドなどに偶然出くわしたようだ。
「発見」といは言いながら、すでにその地には1万年前から先住民族が住んでいた。入植者によって先住民の人口は9割も減少した。タスマニアの先住民アボリジニは、絶滅させられたが最後の先住民はトルガニニという女性だった。遺体は学術論文のため解剖され、頭蓋骨や骨格は博物館に展示された。
コロンブスのカリブ海諸島・アメリカ大陸「発見」もそうだし、つづく南米大陸へのスペイン軍の到達とインカ、マヤ文、アステカ文明の略奪、暴力的な支配もそうだ。持ち込まれたウイルス、感染症により、免疫のない先住民はバタバタを倒れていった。
そして残虐な歴史は、アフリカからの奴隷貿易へとつづく。
まさに科学と帝国は一体として、世界を席巻していった。
過去の事はどうしようもないが、現代人としては、歴史を知ることの責任だけはあるのだと思う。
(写真:トルガニニ 同書より)