サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

石垣での「島嶼奪回」作戦

 防衛省の「起動展開構想概案」(2012)によれば、石垣での「島嶼奪回」作戦で、残存兵30%まで戦闘-「赤旗」とのことだ。
 まず、こんな想定だ。
 あらかじめ2000人の部隊が配備された石垣島に、4500名の敵部隊が上陸し、島全域の6カ所で戦車を含む戦闘が行われる。
 まず、この前提が唐突で異常だ。
 石垣島に住民が住んでいるのに、なぜ4500人も上陸をさせるのだ?
 常識的に考えて、上陸作戦は防衛の何倍も難しく、相当な兵力が必要だ。それに相手側に制空権を取られ、制海権を取られ、海中優勢も取られることが前提で、さらに強襲揚陸艦をそろえる米海兵隊並みの本格的な上陸作戦が必要だ。
 恐らく中国だって、今はそんな能力はないと思う。
 嘉手納基地があり米軍空軍がいるのに、米海軍もいるのに、空自、海自、平気で上陸を許す、そんな作戦なんてあるのか。
 そんなありえない「上陸どうぞ」を許してやってから、残存率30%まで殺し合うげな。さらに1774名の増援をして、優勢となり、おおむね奪回可能だと…。
 だいたい、住民はどうなる? 相当な犠牲が出るはずだが、住民保護の計画もない。
 相手国の上陸前提の作戦なんてありえない。また相手国は勝ってに上陸・攻撃するハズはなく、国際法上もありえない。石垣島陸自の地対艦ミサイルで公海上を通過する相手艦船を攻撃するとなると、その演習を陸自は先日も行ったが、これは大変な事になる。

 防衛とは、住民防衛でなく、国家防衛だ。米国防衛。
 水陸起動団=海兵隊は、島の防衛隊の部隊ではない。「起動展開」の作戦は、そっくりそのまま、中東やアフリカなどでの、奪回=上陸作戦=武力介入が可能となる。指揮は、もちろん米軍だ。
 よくニュースになっている島嶼防衛・離島奪還の演習、防衛省の宣伝をそのまま報道している。