今日の「朝日」の文芸欄に桑田学さんという福山市立大学准教授のインタビューが載っていた。
私がいろいろ考えていて、日ごろ知りたいと思っていた事の一端が書いてあって嬉しくなった。
恐竜が栄えた時代、哺乳類がいた時代など、地球の歴史をひも解く地質学の分類に、現在を「人類の時代」を意味する「人新世」(しんじんせい)という地質区分にする考えが出されている。
今や人類は、CO2やプラスチック、コンクリート、放射性物質などをまき散らして地層に堆積させているから…。
「世界全体が気候の非常事態を迎えつつあるとの危機感が広がっています。大気中の温度上昇が臨界点を超えれば、永久凍土の溶融や氷床崩壊が起きて、海流の循環が変わる恐れさえある。様々な破滅的事態を連鎖的に引き起こしかねません」と語る桑田さん。
惑星衝突や火山の大噴火に匹敵する、後戻りできない地球の改変を人類が起こしている事態。
「人新世は『人類』と一般化しますが、現在の状況の責任は、すべての人類が負うものでしょうか。西洋近代の資本主義の歴史と切り離せません」
「その成長は非西洋世界を植民地化したことで成り立ちました。資源や土地、労働力を、自国の外部から収奪してきた結果です。日本も収奪した側に含まれます。人新世を『人間由来』と語ることは、責任の所在を隠してしまう。『資本新世』と呼ぶべきとの意見もあります」
とし、事実と歴史に即した鋭く興味ある指摘です。
人類起源の劇的な地球改変は、地球史6度目の大量絶滅へと向かっている。実はこの警告と回避の努力は、早くから始まっている。急いで間に合う回避行動をとらなければ、破局に直面し、子どもたち、孫たちに「未来の社会」はやってこない。
現代マルクス主義者からこんな理論提起がない。残念だ。
(桑田教授ってマルクスの考えも取り入れているみたい)