サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

AIの今と未来

 月刊「保団連」という雑誌があります。たまたま手にした1年前の2017年1月号に、「AIの今と未来」の特集が載っていました。
 その中に「ロボットの進化と人間社会の変革」―「衝撃的な未来」題で、中谷一郎JAXA名誉教授の文がありました。読んでみて、興味を持ったり、呆れたりです。紹介します。
 近未来の社会について、中谷さんはこんな考察です。
①ロボットは今後、オフィス、店舗、家庭などに急速に普及し、やがて安価で汎用的で役立つ個人用のロボットが社会に普及する
②30年程の間にロボット技術が劇的に進歩し、個人用ロボットが人間の数を上回り、社会の仕組みを変えるロボット革命がおこる。
③さらに300年後頃には、ロボットは人間と融合して真空に適応した新しい生物に進化し、宇宙に文明圏を拡げていく
 というもの。
 「ハァ〜 」っと、ため息をつかざるを得ない。
 300年後とは言え、人間ロボットか?、ロボット人間か?…「人間ってなんだろ?」と思ったりする。
 さて近未来の事から行くと、今後15年後ぐらいの中谷さんの見通しは、
 家事ロボットの開発・普及です。今、家庭用の床掃除ロボットがありますが、やがてフロやトイレの掃除、洗濯からアイロンかけ、引き出しへの収納など、目的ごとの仕事をやってくれるようなロボットができていくそうです。他に、料理、植木の手入れ、子どもの世話、犬の散歩などもこなすロボットが普及するそうです。
 その際に、人間が今つかっている道具を、ロボットが使いやすいような道具に変えることも必要になってくると…。
 次の段階では、ロボットのAI機能が強化され、人間との意思疎通も、会話による指示、報告、連絡、相談なども自然になっていくそうです。ロボットの「ホウレンソウ」です。
 そして1台のロボットで様々な仕事ができるようなり、アプリを入れれば新しい機能を獲得し、学習によってなんでもできるようになる…とか。
 現在、コミュニケーションロボットの「ペッパー」は100万円(3年契約)ですが、この頃は誰でも手に入れられる、今のパソコンや車程度の値段にコストダウンする見通し、とか。
 仮に、個人ロボットが安くなったとして、人間はどんな仕事をして、給料もらって生活して、ロボットを買うんでしょうか?
 ロボット時代の賃労働と資本主義社会や如何に?
 近「未来の社会」の解明…、現代マルクス主義の研究は、極めて遅れていると思います。巷での話題にすらなっていない。