サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

いまこそ民主主義の再生を!

 いまこそ民主主義の再生を!岩波ブックレット
 店員さんのおすすめに従い、買って読みました。(引用・紹介)
 3人の講演録で、コリン・クラウチさんの「私物化される政治と国家」―新自由主義に乗っ取られた〝自由”は、私には新しい認識でした。
 中野晃一さんは、最近よく知られた政治学者の方です。

いまこそ民主主義の再生を!――新しい政治参加への希望 (岩波ブックレット)

いまこそ民主主義の再生を!――新しい政治参加への希望 (岩波ブックレット)

 紹介したいのは、エイミー・グッドマンさん。米独立系の「デモクラシー・ナウ」司会者です。
独立した報道”は可能か ―沈黙を強いられた人びとの“盾”となるために
 イラク戦争

 当時、パウエル国務長官が行った、大量破壊兵器の証拠がみつかったとする国連演説を機に、米世論は開戦へと傾きました。パウエル演説の前後2週間、米国の夜の4大ニュース番組のインタビューは393件だったそうです。そのうち反戦リーダーへのインタビューは、わずか3人だった。(メディア監視団体「フェア」調べ)
 彼女が紹介しているジャーナリストに、ウイルフレッド・バーチェットという人と、ウイリアム・L・ローレンスと言う人がいます。
 いずれも原爆・ヒロシマについて、記事を書いた人です。

 バーチェットは、オーストラリアのフリージャーナリスト。
 原爆投下後、マッカーサーの立ち入り禁止命令を無視し、広島に入り記事を書き配信しました。
世界初の原爆が街を壊滅させ、世界を震撼させてから30日経った今も、広島では不可解で恐ろしいことに、その惨事をくぐり抜けた人びとがどんどん死んでいっている。原因は分からない。『原爆病』としか言いようがない」と発信し、1945年9月5日付け「ロンドン、デイリー、エクスプレス」紙に掲載され、世界中に衝撃を与えた」と。
 マッカーサーはバーチェットに日本からの強制退去を命じ、原爆病などないと、一蹴したそうだ。
 もう一人は、ニューヨーク・タイムズの記者でピューリッツア賞を受賞した科学記者ローレンス。9月11日付に、「原爆実験場は日本政府主張と矛盾ーニューメキシコ射爆場で確認、犠牲者の死因は放射能ではなく爆発」との見出しの記事を書いた。3日前に軍の案内で、多くの記者と共に核実験場見学に招待されていた。
 グローブス将軍が実験場ツアーを計画した。彼の運転手は、クレーターの真ん中で記念写真を撮ったが、1969年に白血病で亡くなっている。
 独立系か大手か、の単純な選択ではない。フリー、独立系でも、事実をゆがめる記事や映像は多数あるし、組織メディアに携わる人でも、気骨があり上層部に睨まれても主張を貫く人もいる。
 では知る権利の主体である、読者、視聴者はどうあるべきか? 事実接近のための多様な情報入取得への能動性が問われ、自己への認識過程での再構成力が問われることになる。
 で、メディア側と主権者側の生きた関係構築も問われている。(長くなった)