この人こそ、戦後、明仁皇太子の教育をした人。(明仁天皇と平和主義より引用)
アメリカ人のエリザベス・ヴァイニングさん。
親である昭和天皇も、この人選の方向性に係わっている。
今で言えば中高生の12〜17才の多感な時期に、戦勝国の人間が敗戦国の王子を教育するような立場とは違う、主体的で人間味あふれる教育をしている。
「週末に何をしたいか?」と聞けば予定表で埋まっている皇太子は答えに窮する。
常に侍従たちが付きまとい、判断を求めなければならず、主体性に乏しい皇太子に、ヴァイニングさんは、「自分で考えなさい」「物事を一方的に見ないで、あらゆる面を注意深く見るようにして、ご自分で決定して行動しなさる」ようと言っていたようです。
ある時、学習院の教壇に初めて立ったヴァイニングさんは、「私はこれから皆さん全員に英語の名前をつけようと思います」と述べ、生徒たちに英語の名前つけ、皇太子に「このクラスではあなたの名前はジミーです」と言った。
すると皇太子は、とまどいながらも「いいえ、私は皇太子です」と答えたという。
しかし後からは、ヴァイニングさんが、「はい、ジミー」と言うと、他の生徒と同じように答えるようになったようです。
「敬称もいっさいつけられず、特別扱いも受けず、まったく他の生徒なみになることも、皇太子にとってよい経験になるだろうと考えた」と彼女は述べている。
こんな事で皇太子にも友達ができたそうだ。(軍艦三笠の艦上の写真は、幼いながらも将来の大元帥を運命付けられていて、かわいそうな気がする)
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日本の「警察予備隊」の創設に対し、「日本は新憲法で戦争を放棄したのだ。国民の同意を得た神聖な憲法というものは、必要とあらば国民の選出した代表にとって訂正されることは許されても、あの戦争にいたる何年かの間に日本の軍国主義者たちがやったように、軍部の好策によって覆されたり、彼らの蹂躙にゆだねたりすることがあってはならない」と自身の著作で述べている。
また1969年6月、ベトナム反戦デモに参加し、逮捕されている。
こんなアメリカ民主主義と人権を体現したような女性の教師に学んだことが、平和への思いの深い天皇の現在につながっているように思う。
安倍さんの教育者が誰?だった?