23日の各紙に、「朝日」の慰安婦報道に関する第3者委員会の報告書の記事が掲載された。(今日もややこしい話ですみません)
「朝日」は自分のことなので1面トップはわかるが、ライバル紙の「読売」が1面トップにするのはいかがなものだろう。
「読売」は、「ここぞ」とばかりに、批難・攻撃し、「朝日」読者に、自紙の拡張をしたい意欲満々で、いかにもさもしいと感じる。 安倍首相との飲み食いの席でも、「朝日」問題が「酒のさなか」にされて盛り上がっただろう。(関連の記事を一部しか読んでいないので年が明けてから書いてみたい)
さて、こちらの記事はどうだろうか。
ニューヨーク・タイムズ11/16付け―「慰安婦と、日本の真実に対する戦争」−かなり辛らつ、ミンディ・カトラー氏の寄稿文。長いので部分的に引用したい。
「1942年、中曽根康弘海軍主計士官はボルネオ島のバリクパパンに駐留し、飛行場建設の監督を任された。しかし、部下の間で性的非行、ばくち、喧嘩が目に余り、それで仕事に支障がでていることが分かった。
中曽根主計士官の解決策は、軍の売春所、すなわち「慰安所」を組織することだった。インドネシア人女性4人を確保した彼の成功で、軍隊の「雰囲気」はすこぶる改善されたとの彼のコメントが、海軍の報告書に出ている。
慰安所を軍隊に提供するという中曽根士官の決定は、戦前、戦中を含め、インド太平洋地域にわたり数千の帝国陸軍・海軍の士官によっても、政策問題として、行われたものである。 (中略)
中曽根士官が慰安婦設置で果たした役割についてわれわれが知ることができるのは、彼の1978年のメモワール『二十三歳で三千人の総指揮官』のおかげである。当時は、そのような証言は比較的よくあることで、議論を呼ぶものではなく、政治キャリアにとっても障害ではなかった。1982年から1987年まで、中曽根氏は日本の首相であった。(辻本議員HP参照)
しかし、今日、慰安所設置における日本軍の関与について、激しい異論が出ている。安倍晋三政権は、(慰安婦に関する)歴史的記録を、日本の評判を傷つけるための一連の嘘として描くため、最大限の取り組みをしている。安倍政権は、帝国日本が人身売買と強制売春の制度を運営していたことを否定し、それによって、慰安婦とは単に軍のキャンプを追いかける売春婦たちだったとほのめかしている。
この点での最近の動きは、意図的な皮肉ではないだろうが、10月末、与党・自民党が中曽根氏の息子、中曽根弘文元外相を「慰安婦問題に関して、日本の名誉を回復する具体的方策について検討する」とした委員会の委員長に指名したことだ。(中略)
帝国軍隊当局は、性の提供が士気にとって良いことだと信じ、軍当局は性感染症のコントロールを支援した。陸軍、海軍とも女性を取り引きし、医療検査を実施し、料金を設定し、施設を建設した。のちにフジサンケイグループの議長となった鹿内信隆氏は、帝国陸軍の経理クラスで慰安所の経営について学んだ。それは、「確保した女性の実際の持続性、鮮度」をどう決定するかもふくまれた。
(中略)
有識者の間では、吉田氏の証言は架空のものであると長く結論づけられていたが、安倍氏は「朝日」のこの撤回の機を捉え、性奴隷制は根拠のない中傷的な主張であると非難した。慰安婦に関する巨大で疑いえない全歴史を否定する試みである。10月、安倍氏は、「日本が客観的事実に基づいて公正な評価を受けることができるために、国際世論への戦略的キャンペーンを進める」よう指示した。
(中略)
とりわけ米国には、同盟国である日本に、人権と女性の権利はアメリカの外交政策の柱であることを認識させる責任がある。もし、われわれが声をあげないなら、われわれは、日本の否定主義の共犯となるだけでなく、性的暴力を含む戦争犯罪を終焉させるという今日の国際的努力を損なう点でも、共犯となってしまうだろう」
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なかなか説得力のある文だと思う。「読売」「サンケイ」・安倍首相らのグループは、日本の侵略と軍慰安婦政策の後継者として、その過去を肯定しようとしているようだ。と言うことは、未来にもかかわることだ。