サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

CO2濃度急増 海が酸性化 国連報告書

 今日の「熊日」夕刊です。紹介します。

 CO2濃度急増 海が酸性化 国連報告書
   年107兆円の損失 サンゴに大打撃


 国連の生物多様性条約事務局が韓国で開催中の同条約締約国会議に報告書を提出した。
 記事によれば、海の酸性度は、本来、弱アルカリ性だが、大気中のCO2が溶け込んで、産業革命以降、PHが0・1下がったらしい。海洋のサイダー化が進んでいる…。
 このままCO2が排出されると、今世紀末には、さらに0・3下がる可能性があるそうだ。 海の酸性化が進むと、貝殻やサンゴの骨格ができにくくなる。また海洋生物のエサになるプランクトンの生成にも悪影響がある。
 その結果、2100年までに年107兆円の経済損失があると計算している。私は、それで済むとはとても思えない。だいたいカネに換算できるのか?
 惑星規模で、大気の組成変化と膨大な質量の海の変化を引き起こしている人間活動。大気と海洋の温暖化、海面上昇、生物種の大量絶滅。私たちの存立基盤の地球と生態系にどんなことが起こるかわからない。

 いよいよの場合は、ジオ・エンジニアリングの出番かもしれない。でもそれは、科学と技術で、惑星を操作できるという人類のうぬぼれにほかならない。
 生物が数億年かけて、大気からCO2を取り込み分離し、酸素は大気に、炭素は地下に固定化して今日の気候をつくりだした。それなのに、再び燃やして元の大気に放ってきた人間活動。
 そしてシェールガス・オイルなど非在来型の化石燃料まで燃やさなければならないほど、限界を超えた生産・流通・消費・廃棄、とても持続可能にはならない。
 1973年に「成長の限界」として、警告されてから40年もたった。危機感は一部の人たちのみ。未来は、やって来ないかもしれない。悲観するのも悲観しないのも簡単だ。
 もはや行動のみが試されている。私も言うばかり…、何とかしなければとは思うが… 時間はないが、まずは認識を広げることから始めるしかない。