勇気ある内部告白者は、時々現れ、メディアにリークする。しかしペンタゴンペーパーズの時のようには、なかなか成功しない。
04年、ニューヨークタイムズの記者は、NSAが令状を取らずに違法で盗聴した事実を暴露しようとした。
しかし役人との交渉プロセスを経たせいで、記事の発表は1年以上も遅れた。
ブッシュ大統領は、同紙の発行責任者と編集主幹を大統領執務室によびつけ、報道すればテロリストの手助けになると、いわば脅した。
この問題が明らかにされずにブッシュは再選された。しびれをきらした記者が自著で告発するとなると、ニューヨークタイムズはその直前に報道した。
体制メディアには、政府の秘密を暴露する場合はルールがあるらしい。編集者はまず政府に発表内容をご注進する。安全保障担当役人らが編集者を説得する話あいがもたれる。そして影響の最小化、無力化にいたるらしい。
スノーデンは、権力と妥協しないジャーナリストのグレン・グリーンウォルドと、ドキュメンタリー映画制作者のローラ・ポイトラスを選んだ。継続的な報道をねらいながら。成功だった。
香港のホテルで3人は初めて合い前代未聞の“暴露”にいたる。
グレン・グリーンウォルド最初の暴露記事=ベライゾン社が電話情報をすべてNSAに提供している事実をガーディアン紙に掲載するまでが、スリルに満ちている。
世界最強の諜報機関を相手にする事になるガーディアン社。さまざまな圧力を法的に切り抜けられるかどうか顧問弁護士とも真剣に相談する。スパイ活動防止法により、FBIによる資料の押収や事務所の閉鎖などの危険性もあった。
結果、法的な安全策としては、先方に取材申し込みをする事が肝心のようで、ガーディアンの担当者もJ・ギブソンはNSAに電話することになった。結果、FBI副長官などそうそうたるメンバーとテレビ会議を行う事になる。
ホテルの一室にいて、いつドアが蹴り破られて連行されるか不安に思っているスノーデンやグリーンウォルドらは、ガーディアンとの約束の時間ぎれによっては、別のメディア報道する連絡も取りながらすすめる。うまくいった。
権力は強大だ。だから主権者こそが更に学び強くなる必要がある。スノーデン氏は、いまごろどうしているだろう。まだまだやることは残っている。ひきつづきネットと通信の秘密のために、頑張ってほしい。そのためには、国家犯罪を内部告発する人は、公益に貢献した勇気をたたえ自由を取り戻す必要がある。
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ところで、日本のメディアはこんなモンです。これを変えるのは主権者です。