サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

監視システムと人々へ萎縮効果

 効果的に監視の目的を果たすには、監視は単なる秘密ではない方がいいらしい。
 「常に自分が監視されている、その可能性が高い」と思わせれば、対応する行動が生まれ、人々を、服従、盲従、予定調和に導くことができると言う。
 哲学者フーコーは、著書「監獄の誕生−監視と役割」で、ユビキタス監視は監視機関に権力を付与し、人々に服従を強制するだけでなく、個人の内に監視人を生み出す効果がある。
 コントロールされていることも気づかず、人々は無意識のうちに監視人が望むとおりの行動を取るようになる。服従を強制するのはその人自身の心である。見られているという恐怖から、人は自ら従うことを選択する。もはや外部の強制は不要となり、自由だと勘違いしている人たちをただ管理すればいいだけになる。萎縮効果だ。
 怯む必要はない。時の政権・政治家に抵抗、反対する人びとを不法に抑圧する、民主主義の本来のあり方に反するやり方を絶対に許さない事がきわめて大事になる。
 携帯電話を盗聴されていたドイツのメルケル首相は、彼女が生まれ育った旧東ドイツのシュタージ(治安機関)になぞらえて、オバマ大統領を猛烈に批判したらしい。
 今の中国にも北朝鮮にも、そして戦前の日本にも特高警察や憲兵を上からの強制とともに、隣組の監視社会があった。
 主権者こそが、情報の主権者にな事こそが決定的に大事と思う。
 その点で、NSAやネット企業のユーザー裏切り行為に対し、もっと国民的な怒りが突きつけられ、改善まで。事を許さない、が求められると思う。(以上 スノーデン“暴露”より)