地球があり自然があるだけで、さまざまな恩恵を受け取っている人間。 この意味を、枝廣さんのわたしたちのたいせつな生態系のはなしのつづきで紹介します。
おいしい食べ物も、きれいな空気も水も、美しい景色も、排出した廃棄物の分解も、多様な生態系が生み出すサービスです。
一応、「タダ」ですが、いったいいくらの価値を生んでいるのでしょうか?
1997年、米国のロバート・コスタンザ博士が計算したら、毎年33兆ドル、3300兆円だったそうです。
当時の世界のGDPは18兆ドル、つまり人間が生み出す価値の、実に2倍の価値を生み出しつづけているのが生態系サービスなのです。
でもそれは目に見えないために、人間は生態系をおろそかにし、自然を壊してきました。いま求められる事は、経済に、市場に生態系の価値を反映させる事です。政策やビジネスモデルに反映させることだと思います。でないと、生物多様性も生態系も、取り戻せないほどに壊してしまうでしょう。 生態系恐慌は、資本主義の過剰生産・恐慌どころではないでしょう。人類の生存基盤を損ねるレベルです。