サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

憲法九条の軍事戦略

   「憲法九条の軍事戦略(松竹伸幸著)を読みました。
 松竹氏は、護憲派が軍事というものを全否定する勢力と思われてしまって、護憲の主張が広がることが難しいと感じ、護憲派にも軍事戦略が必要だと考えたようだ。
 そう考えた根底に、中国海軍の海洋進出や尖閣問題などにより、日本国民に国土への不安がひろがっていること、その不安解消のため軍事戦略は、もっぱら日米安保に頼る構造があり、これへの対案を示すことが必要だと考えたからのようだ。
 アマゾンのカスタマレビューは様々です。私自身も、いまひとつ理解が進まなかったんです。わかる気もするのですが…。
 ウィキペディアには、「軍事戦略とは一般に戦争状態において敵の軍に勝利するための計画である」とある。軍事戦略は、軍隊の保有が前提なため、私としては9条との関係のもやもや感が根底にあるのかもしれない。
 9条の2項がなくなった自衛中立論に近い気もするし、条文と、解釈の変遷と、米軍に組み込まれた自衛隊の現実、との複雑な関係をどう紐解くのか?悩ましい。論点整理が必要と思います。
 現実に、自衛隊は近代的な装備を持ち、米軍の戦略に組み込まれ、指揮命令系統も米軍となって軍事演習を積んでいるので、日本防衛の性格よりも、侵略的で軍事介入する米軍に一体化された軍隊である面が強い。
 アフガン戦争では戦争行為である給油を米軍に行い、その艦艇からアフガンの地に爆弾が落とされた。イラクでも米兵や武器弾薬を運んだ。戦争行為そのものの兵站活動だ。日本を攻撃していない人たちを間接的に殺したことになる。
 現実問題は日本を守る問題どころか、日本が米軍と共に他国に介入する問題がある。その介入は、財政支援や後方支援などから、直接の戦闘介入へと、近く「集団的自衛権」発動ですすめられようとしています。
 松竹氏が主張する「外交・軍事戦略」は大いに研究・展開したほうがいいと思います。
 がしかし、安保解消が先のような気がします。ハードルは高いですが。
私の考えは、中国国民ほかアジアの諸国民との平和的な連帯の強化に心血を注ぐべきと思います。9条の精神は、まだ十分には追及されておらず、各国とも自国政府への帰属意識に縛られ、メディアが喚起するナショナリズムにのせられています。
 国家から、相対的に独立した諸国民の平和・民主勢力が手を結び、自国へ政府に、軍縮による軍事予算の削減を求めること、浮いた予算を社会保障の拡充に求める運動を展開すべきと思います。
 対立軸を、国家に所属した国民の国家対国家から、米国を頂点とするが各国の軍産政官学メ複合体に対立する、平和・民主主義・環境の主権者・諸国民とすべきと…。これが憲法前文の精神と思うのですが…、真剣に追求されていいない気がしてまして…。
 今や環境は、整いつつあります。ネット展開が可能で以前に比べかなり真実が共有できます。「テロ」とのたたかい論も、これで克服すべきと思います。私もまとまってません、整理が必要です