サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

地位協定⑦ フィリピンはどうやって米軍基地を撤去させた?

 北朝鮮がムスダンミサイルを日本海側から撤去したようです。米韓首脳会議を前に軟化した?説、単なる移動説?、など諸説あります。
 私が信じたい説は「田植え期」説です。食料自給の乏しい北朝鮮はこの時期、兵士が田植え労働に精を出さないと収穫ができません。
 秋以降、国民も兵士も飢える事になっては元も子もない。この時期、それから秋の収穫期は戦争どころではない。
 北朝鮮、言葉は過激ですが、実情を見るとかわいそうと言うより、私にはのどかで微笑ましく思えます。
 年がら年中、安全な母国から地球の裏側まで無人機を操縦して、罪のない住民を殺している「民主」国家より、よっぽどマシな気がします。
 さて、本日予定していた「米軍は日本を守ってくれるか?」スミマセン準備不足⇒代わりに、
問い⑦ フィリピンはどうやって米軍基地を撤去させた?
 フィリピンには長く6ヶ所の米軍基地がありました。中でもクラーク空軍基地スービック海軍基地は大きな基地でした。
 1986年に、アメリカが支援していたマルコス独裁政権が民衆革命で倒されアキノ新政権が誕生しました。
 アキノ政権は、1987年に新憲法を公布し、1991年に上院が基地存続条約の批准を拒否し、92年までに米軍基地を完全撤退させました。
 憲法に「米比地位協定」が1991年9月に期限切れを迎えたあとは、新条約を結ばなけらば外国軍基地をおけないと決めました。
 新条約の承認には上院議員の2/3の同意と議会が要求する場合は国民投票が必要という厳しい規定をもうけたため批准されませんでした。
 また新憲法は、「非核政策を採用、追及する」と規定し、フィリピン国内での核兵器の貯蔵、設置を禁止したそうです。被爆国日本なのに、非核三原則の空洞化が情けなくなります。
 米国がすんなり基地撤去を許すはずがありません。米国の交渉担当は、日本ではおなじみのアーミテージ国防次官補でした。「ショー・ザ・フラッグ」と言って自衛隊にインド洋で米軍への給油活動をさせたり、イラク戦争の時に「グランド・オブ・ブーツ」と迫って自衛隊イラク派兵を成功させた人です。でもフィリピンでは失敗しました。
 交渉の時に、「これでわれわれの関係はおしまいだ」「ワシントンと同盟国は激怒している!」と怒鳴ったり、投資の停止や基地労働者は解雇手当はもらえないなどと、脅したそうです。
 でもフィリピン側のマングラブス外相は、ひるまず冷静に対応し、主張をとおしたそうです。なんせマルコス独裁政権とたたかい14年間の亡命生活を強いられた老練政治家だったそうですから。なんでもYesの日本の閣僚とは、大違いです。
 フィリピンは米軍基地を撤去させても、他国から軍事的に脅されたり攻撃されたりすることはまったくありません。返還された基地は経済特区となり、企業誘致で雇用は数倍に増えているそうです。
 ぜひ日本も、沖縄をはじめとした全国の米軍基地を無条件で返還させたいものです。
 (この部分は当時マニラにいた共同通信支局長石山永一郎さんの文を紹介しました)