サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

ラダック “懐かしの未来”③

 ひさしぶりですが“懐かしの未来”編を。
 インドのヒマラヤのラダックの人たちがいっしょうけんめい働くのは、夏の時期の4ヶ月ほどらしい。(開発される前)      (写真は矢山岳から見た泉村

 残りの8ヶ月、冬の間は、雪が積もり農作業はできない。水運びをし、食事をつくり、家畜にえさをやる日常の仕事はあるが、他に仕事はなく、あとはほとんど祭りや宴ですごすらしい。電気はないし、夜は早く寝て、早く起きるだけ。当然、時間はゆっくり流れ、家族も地域も人々の絆と信頼は深くなる。幸福にとって何よりの源泉だろう。
 現代日本人は、昼夜の区別無く、春夏秋冬、働きっぱなし。そのため、家族や友人、隣人との交流する時間がきわめて少ない。
 幸福とは、いったいなんなのか?と考える。家族とともに、食べ楽しくすごすために仕事をするのではないか…。家族の基本である食事が一緒にできないなんて倒錯だろう。
 ラダックでは(むかしの)家族でそれぞれの役割で仕事をした。小さい頃から、オヤジ、おふくろ、じいちゃん、ばあちゃん、ねーちゃん、にーちゃんの仕事を見ながら、自分もその共同作業に参加する。家族との信頼、自分の役割への自負が培われるものは当然だろう。
 わたしの左手の小指に2センチほどの傷がある。実はカマによる切り傷だ。
 近くの田んぼに、牛のエサになる「エンバク」とか言う草を刈にいって、カマでザックリ。何が手元を狂わせたのか覚えていない。かなり血がでたがもちろん病院なんて行かない。近くにないし車もないし。
 少年時代の、私の毎日の仕事は、牛のエサやりだった。いやだったがやっていた。しかし、今では自慢さえ?したくなる“懐かしい”思い出。「ひぐらし」を余儀なくされて、親は、良い仕事を私に与えてくれた。
 物質的な豊かさを否定はしない。しかし物質的「豊かさ」を追求しすぎることで、家族の絆が弱くなり、自然に負荷をかけすぎるのは、本末転倒だろう。自然あっての人の生存と幸福だろうと思う。
 と、言いながら1時間以上もパソコンでブログ作業。家族との絆は? 私も矛盾している。