サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

選択の科学② イヌの選択 

 先日のつづきでS・アイエンガーの話を紹介したい。ゴメン!また動物実験。1965年のコーネル大学のM・セリグマンの実験。
 2匹のイヌを別々の箱に固定し、無害だが不快な電気ショックを周期的に同時に与える実験。一方の箱には、イヌが鼻でパネルを押せば、2つの部屋とも電機ショックがとまる。もう一方には、パネルはない。
 パネルのあるイヌの方は、痛みを自分でコントロールことを経験し、しばらくすると直ぐにショックに身構え、パネルを押して痛みを回避することを学んだ。
 パネルのないイヌは、萎縮して哀れっぽく鼻を鳴らすだけになった。
 実験の第2段階。
 2つに仕切られた部屋を用意し、2匹のイヌを片方の部屋に入れ床に周期的に電流を流した。部屋の仕切りは低く簡単に飛び越えられる。柵の向こうの部屋には電気が流れない。
 実験の結果、自分の意思で状況を変えられることを学んだイヌは、直ぐに仕切りを飛び越え、痛みを回避した。
 しかし前の実験で、パネルがなくショックをとめる経験がなかったイヌの2/3は、ただじっとショックにたえ、鼻をならしながら苦しみつづけたそうだ。他のイヌが仕切りをこび越えるのを見ても、研究者が仕切りの向こう側にひきづって行って、痛みを回避できることを教えても、同じだったらしい。
 S・アイエンガーは言う。「わたしたちが『選択』と呼んでいるものは、自分自身や、時分の置かれた環境を、自分の力で変える能力のことだ。選択するには、まず、『自分の力で変えられること』という認識を持たなくてはならない」と。
 自分の無力を思い知るよりも自分の能力を知ることの方が大事のようだ。
 だが私たち日本の国民は、自分たちの本当の能力を知っているだろうか?主権者の力を。社会を変える事を学ぶよりも、社会は変わらないと、学んでいないだろうか。思い込んで、思い込まされて…。
 原発は止められる。廃炉できる。増税、TPP回避もできる。そのため多数者が認識を変える。ことができる、と。