サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

茶色の朝 -誰かが朝早く、ドアをたたく

 「茶色の朝」(フランク・パヴロフ著)を最初読んだ時、朝の意味が分からなかった。
   いろんな種類のネコ、どらネコ、捨て猫が街をはいかいして人間社会に悪さをする。
茶色の猫」は、都市生活に適している。子どもを産みすぎず、エサも少なくてすむことが選別テストで証明された。
 増えすぎた猫対策のための新しい法律―「ペット特別措置法」ができ、猫は「茶色」以外は飼うことができなくなった。
 「黒猫」も「三毛猫」も、「茶色の猫」以外すべて処分されてしまった。
 やがてそれは、犬まで拡大され、「茶色の犬」以外は、飼うことが禁止された。
 そのうち、言葉や単語に「茶色」をつける習慣が身についた。
 人々は、「茶色に染まることが心地よく、面倒なこともなくなり、「茶色の規則に守られる安心を感じた
 さらに進むと、過去に「茶色」以外の動物を飼っていたことも犯罪となり、その人たちが逮捕された。
 さらに「茶色ラジオ」と「茶色新聞」は、ニュースの中で、法律に反する犬や猫を個人的に飼ったことがなくても、家族の誰か、親せき、友人の誰かが、生涯で一度でも飼ったことがあれば、法律に違反すると告げた。
 「茶色党」政府の動きは早かったし、おかしいと思った時もあったが、俺は仕事も生活も忙しかった。
 他の人たちだって同じだったじゃないか…。
 そう後悔している時、誰かが、朝早くドアをたたく、外は茶色
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 「街の日常」新聞が7色をつかい真実の報道が続けられるように。憲法を守り続けるために知恵と心を集め合う時。

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 04年8月22日付けの「熊本民報」に書いた私のコラム。思い出しましたので再録です。
 今、似たような「空気」を感じています。君が代、日の丸⇒起立問題の最高裁の判決は、不十分でも一応の歯止めはかけました。大事なのは、この事の国民的な理解の広がりだと思います。
 「大阪都の改革イメージ」の「民意」は、やがて「茶色」の規則(法律)となって内面化し、やがて心となり、他を攻撃します。茶色はファシズムの色、そうならないうちに。

 大月書店・茶色の朝