サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

君が代 不起立懲戒処分 最高裁判決

  卒業式などで東京都が、日の丸に向かって起立せず、君が代を斉唱しなかった教員を懲戒処分した問題での判決が最高裁で下された。
 教員の戒告の裁量権は認めたが、更に厳しい停職・減給は慎重であるべきとの判断が示され、取り消しを命じた。
 大阪の橋下市長がのぼせ上がっていた大阪の条例案には、一定のストップがかかる事になる。 松井府知事は、「単に回数だけで停職にするのはやりすぎとの判断が出たので、見直さなければならない」と朝日に語ったようだ。おそらく橋下市長は、そう簡単には引き下がらないだろう。
 裁判官5人のうち、弁護士出身の宮川光治裁判官だけは、「不起立は信念によるもので、通常の非行・違法行為とは次元が違う。式典を妨害しておらず、戒告でも重過ぎる」と反対意見を述べたらしい。
 戦争が終わって憲法が180度変わったのに、今の北朝鮮以上に絶対的な権力をふるった天皇制が、戦争を遂行するための思想動員のための国歌と国旗が、今も生き残っている。戦後は、強制も緩やかだったが、法律が強行され、石原都政の下で強制が強められた。
 起立1回は戒告、2、3回は減給、4回以降は免職。現在の天皇が心配するほど、思想信条を犯す憲法違反だ。
 最高裁の4人の裁判官は、どちらかと言えば、憲法判断より、処分を認め、程度が問題とした。これでは、限界のある判決だろう。
 先日読んだ「ハシズム」本の最後の部分に大阪府職員基本条例と教育基本条例案が載っている。全くあきれた内容になっている。
 教育の目的は、グローバル社会の競争に勝てる人材育成となっている。人事評価がS5%⇒A20%⇒B60%⇒C10%⇒D5%の相対評価になっており、給料に差をつける。Dを連続してとると研修や面接をへて「改善」されない場合は、停職処分が待っている。
 不起立3回で免職。ファシズムは「民意」の後、カタチの強制となり内面化していく
 憲法が予定している権利・義務関係は、たしか次のようだったと思う。子どもは教育を受ける権利があり⇒保護者が教育を受けさせる義務ありその権利を教師に付託⇒付託を受けた教師が教育する責任と権利が発生⇒行政は学校・施設でこれに応える義務がある。
 北欧、フィンランドなどでは、教師に高い地位が保障され自由で個性豊かな教育が行われ、それが産業面でも優位性を発揮している。